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インタビュー:東芝副社長、メモリー業績「上振れ可能性大」

2016年12月16日

[東京 16日 ロイター] - 東芝<6502.T>の成毛康雄副社長は16日、ロイターのインタビューで、半導体メモリー事業の好調でデバイス部門の業績見通しが今年度は「上振れする可能性がとても高い」と述べた。

堅調なメモリー需要に加え、円安が追い風になる。同氏はまた、韓国サムスン電子<005930.KS>など競合他社との技術競争に勝ち抜くために、同分野の投資額が2019年ごろから現状に比べさらに増える可能性を示唆した。

成毛氏が担当する「ストレージ・アンド・デバイスソリューション」部門は、東芝の利益の大半を稼ぎ出す。11月発表の17年3月期通期予想では、連結営業利益予想1800億円に対し同部門の予想は1300億円。デバイス部門の上方修正の可能性が強まったことで、東芝全社の通期予想も上方修正となる公算が大きい。

<サムスンとの格差縮小に手応え>

成毛氏は、16─18年度の3年間で8600億円としているフラッシュメモリーへの設備投資計画が、19年度以降の3年間で1兆円程度に増える可能性を示唆した。

フラッシュ各社は「3D」というメモリーセル(最小単位の回路)を縦方向に積層する技術に注力。技術の難易度が増しており、成毛氏は投資額につて「従来だと(年間)2000億円くらいだったのが、3000億円レベルになる」と指摘。19年度以降の投資金額については「徐々に増えていく。まだ決めていないが3年で1兆円くらい」との見通しを示した。

3D化ではフラッシュメモリー世界首位のサムスンが先行し、2013年夏にセル32層型を量産開始。東芝は48層型を今年春に量産を始め、17年上期には64層型を量産する計画だ。

成毛氏は、「(サムスンに対し)以前は2年遅れと言われていたが、技術的には追いついた。量産の立ち上げでは半年か1四半期遅れているが、64層の量産がこれからの勝負になる」と強調した。

<スマホ関連、来年夏まで堅調予測>

スマートフォンなどに使われるNAND型フラッシュメモリーは、台頭著しい中国のスマホメーカーが搭載量の大きい機種の販売に注力しているため需要が好調だ。市況をけん引する「中華スマホ」について成毛氏は「(端末シェアで)先頭の数社に加え下位グループもメモリーの大容量化に動いている」と指摘。年度当初は慎重だったスマホ関連の需給の好調さは「来年夏までは続く」とみる。

来年夏以降は、3Dタイプの供給が「(来年)下期から立ち上がってくるので、需給バランスは(緩和に)動く可能性がある」と指摘した。

フラッシュメモリーをけん引するもう一つの材料は、データセンターなどで使われるサーバー用の記憶媒体として、ハードディスクドライブ(HDD)からフラッシュメモリーを用いた「SSD(ソリッドステートドライブ)」への転換が進んでいることだ。 成毛氏は「データセンターの改造、新設両方から(注文が)来ている。意外だったのは銀行、証券、鉄道など自分たちでシステムを抱える企業からの需要が増えていることだ」と述べた。ITと金融サービスを融合したフィンテックの導入拡大などが背景にあるという。

<中国勢の追い上げを懸念>

足元では堅調なフラッシュメモリー市場だが、今後は、政府の全面的バックアップを得て資金力がある中国メーカーが、いつ追いついてくるのかが焦点。成毛氏は「われわれはそれがいちばん気になっている」と指摘。中国企業について「スタート時点で巨額のカネを入れて、利益無視だ」などと、市場をかく乱するとの懸念を示した。

中国半導体大手の紫光集団が昨年夏、米半導体大手マイクロン・テクノロジー<MU.O>の買収に動いたが、対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障の観点からこれを阻止するなど、昨年から今年にかけて、米政府が中国企業による米ハイテク企業の買収を拒絶する事例が続いている。

成毛氏は「(先行)企業を中国側が買収するのはいまの状況では無理で、その場合は特許が不足する。中国企業が行うと思われるのは人材の引き抜きだ」などと指摘。中国企業が「いくつかのハードルを越えないと本当の脅威にはならにと思う。(追いつくには)2020年は過ぎるだろう」と話した。

(インタビュアー:浜田健太郎、山崎牧子)

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