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焦点:三井住友FG人事、合併15年で初めて旧行バランス崩れる

2016年12月17日

[東京 16日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループの旧行バランス人事が、三井住友銀行の発足以来15年で初めて崩れた。16日発表したトップ人事は、これまで2代続けて旧住友銀行と旧さくら銀行の間で分け合っていた持ち株会社社長ポストと傘下銀行頭取ポストを、旧住友銀が独占するかたちとなった。1990年代後半の都市銀行大合併時代から、ようやく名実ともに適材適所の人事が進み始めた。

<金融庁、バランス人事に懸念表明>

経営のかじ取りを担う持ち株会社社長と銀行頭取、両社の会長ポストの布陣をみると、持ち株会社の次期社長に就任する国部毅・三井住友銀頭取と後任頭取に就く高島誠同銀専務は、ともに旧住友銀出身。旧さくら銀出身は、持ち株会社と銀行の会長を兼務し、両社の取締役会議長を務める宮田孝一社長だけとなった。

行内外の関係者の間では、持ち株社長と銀行頭取を旧行で分け合うバランス人事が踏襲されるとの見方が強かっただけに、特に旧さくら銀勢からは恨み節も漏れているのが実情だ。

ただ、長年続いたバランス人事からの決別は、金融庁の後押しもあった。

一昨年5月に開かれた金融庁幹部と三井住友を含む主要行の企画担当役員との意見交換会。金融庁サイドから「3メガバンクには、いまだに旧行のバランス人事がみられる。金融界の常識かもしれないが、社外のステークホルダーにとって常識なのか」との発言が出た。

発言の主は、森信親・現長官だ。森氏は、その場で適材適所の人事を行うべきとの見解を示したという。

 「そう遠くない時期に、バランス人事を廃すことの必要性を感じた」と、ある主要行役員は話す。

<高島氏は行内切っての国際派、国内業務に弱点>

高島次期頭取は、11年間の米国勤務を誇る行内切っての国際派。企画部長も務めており、銀行業務全般に明るいとは言うものの、リテール事業や国内法人業務の実務経験はほぼゼロだ。行内評でもトップ候補に挙げる人は少数派だ。

日銀のマイナス金利導入により国内ビジネスの成長頭打ちは明白で、海外事業が大手行のけん引役となっているのは間違いない。銀行単体の海外収益率は4年前の23%から45%に上がっている。

ただ、行内には「国内業務を知らないのに務まるのか」(幹部)との声が出ているのも事実だ。

しかし、16日夕の会見で高島次期頭取は「国内の業務でどれだけグローバルな味付けを出していけるのかが大事だ」と述べ、内なる国際化路線を打ち出した。

<他メガにも影響する可能性>

三井住友が長年の旧弊からの脱却を図ったことは、三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループなど他メガにも波及する可能性がある。両グループとも、バランス人事のくびきから脱しきれいていない。

 「旧行のバランスを保つことで、逆に不要な人事抗争を抑えることができる」と、その効用を強調する声も一部にはある。

しかし、海外業務が拡大の一途をたどり、行員の国籍も多様化。顧客や株主だけでなく、海外の規制当局の視線も厳しさを増す。「内向き論理だけで人事を回して大丈夫か」(別の大手行役員)という懸念も広がっている。

ある大手金融機関の首脳は「三井住友の行く末を、三菱UFJもみずほも固唾(かたず)を飲んで見守っているだろう」と話している。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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