【日本企業の“グローバル風”研修2】
外国ポットンモデル

「語学だけできてもダメ。グローバル人材育成というんだから、まずは外国の文化を知ることが重要。グローバルな場所に出かけて、本物のグローバルな文化に触れないと」ということで、「本物の文化に触れる体験をすること=グローバル人材育成」とする考え方もあります。

 こうした考え方をもとに生まれるのが、「外国ポットンモデル研修」いわゆる「GPM研修」(中原命名)です。

 例えば、インドに行って「スラム街に行ってきました」といったもの。実際は安全のため自動車の車内から視察するだけだったりします。「ガンジス河で沐浴してきました」など、体当たりで異文化を体験するものもあります。素晴らしい体験だと思いますが、グローバルに活躍するための人材育成にどの程度寄与しているのかなんとも言えません。

「インドの大学に行ってきました」といったものもあります。インドの大学で優秀な技術者を引き抜いてきて採用しました、ということならば素晴らしいですが、せっかく大学に行くのであれば、短期ではなく、ある程度時間をかけ、きちんと目的をもって学んできてほしいものです。

 もちろん、異文化を体験することは重要です。やはり現地に行って直接見聞きしなくてはわからないことも多々あります。しかし、単に異文化に浸りさえすればグローバルで活躍する能力が身につくのか、というと、はなはだ疑問です。異文化体験をすることが目的であれば、個人的に旅行で行けば良いのでは…?とも思いますし、異文化に浸ることでなにかの能力を伸ばすというのであれば、もう少し工夫が必要な気がします。