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中国の米車メーカー制裁方針、トランプ氏へのけん制球か

ロイター
2016年12月19日
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12月14日、中国国営紙は国家発展改革委員会筋の話として、近く政府が米自動車メーカー1社(名前は公表せず)に独占禁止法違反を理由として制裁措置を科す方針だと伝えた。これはトランプ次期米大統領(写真)が中国との関係を台無しにするようなら、中国側も黙っていないという姿勢の表れだ。ウィスコンシン州で13日撮影(2016年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ワシントン/北京 14日 ロイター] - 中国英字紙チャイナ・デーリーは国家発展改革委員会筋の話として、近く政府が米自動車メーカー1社(名前は公表せず)に独占禁止法違反を理由として制裁措置を科す方針だと伝えた。これはトランプ次期米大統領が中国との関係を台無しにするようなら、中国側も黙っていないという姿勢の表れだ。

 とりわけトランプ氏が台湾問題で、中国が堅持する「1つの中国」政策に米国が縛られる必要がないと主張している点は、これまで築き上げてきた米中関係の根幹を突き崩す恐れがある。

 両国の全面的な軍事衝突に事態が発展するとの予想はほとんど聞かれず、トランプ氏が中国製品に45%の関税をかけると選挙中に表明したことをきっかけにした経済戦争でさえ現実には起きそうにない。

 それでもトランプ氏が1つの中国への疑問を出し続ければ、中国側には報復に動くための数多くの手段がある。

 自動車業界筋がロイターに語ったところでは、独占禁止法違反を巡る調査はトランプ氏の台湾を巡る発言以前から実施されていた。ただ正式な調査結果発表前に米メーカー1社だけ制裁に言及したのは、トランプ次期政権へのけん制球を投じる機会として中国政府が利用した可能性がある。

 トランプ氏の広報担当者ジェーソン・ミラー氏は14日、陣営はチャイナ・デーリーの報道を承知しているが、コメントするのは時期尚早だと述べた。

 米議会民主党の関係者は、中国が米自動車メーカーへの制裁をちらつかせたことは、トランプ氏にとって中国側もたくさんのカードを持っているという事実をしっかり認識させたと指摘。トランプ氏が台湾や貿易、北朝鮮問題などであたかも米国が唯一の超大国であるかのように交渉に入れると思っているなら、考え直す必要があると釘を刺した。

 中国が今後何らかの報復に動く場合、自動車メーカーだけでなくボーイングやゼネラル・エレクトリック(GE)といった中国に大きな権益を持つ米企業への圧迫を強めたり、米企業の中国市場へのアクセスを制限する可能性がある。

 経済成長鈍化に伴って緩めてきた軍事力拡大ペースを再び加速させ、台湾近辺で海軍の演習を実施したり、北朝鮮やイランの核問題で米国への外交的な協力を手控える事態もあり得る。

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