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欧州議会、排ガス規制強化の遅れを批判

2016年12月20日

[ブリュッセル 19日 ロイター] - イタリアやフランス、スペインを含む欧州連合(EU)加盟国の一部では、自動車の排ガス試験の厳格化が遅れ、大気汚染が基準値を超えて進んでいることが19日、ロイター通信が入手した欧州議会の報告書案で分かった。

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンによる排ガス試験不正問題に関する欧州議会の調査報告書案は、2008年の金融危機を経て、EU幹部らが欧州で力を持つ自動車産業を守ろうとしてきたことも、試験の厳格化を遅らせたと結論づけている。

報告書案でオランダ自由党の政治家であるゲルベンーヤン・ゲルブランディ氏は「2012年にはディーゼル車の排ガスに何か問題があるという明確な兆候があった」とし、「各国政府や欧州委員会が行動していれば、ディーゼルゲートが起きることはなかった」とした。

来年早々にも議会承認の投票にかけられる報告書案は、欧州委員会に大気の質と汚染物質の排出源の両方に対処する権限を持った委員を置くことを提唱している。

欧州委員会は、報告書案が確定するまではコメントしないとしている。欧州委員会は自動車の排ガス規制を適切に実施していないとしてEUの7カ国に対して法的措置を取るための手続きを開始した。

欧州委員会は20日にEU加盟の28カ国の代表を集め、ディーゼルゲートでその欠陥が明らかになった検査場での排ガス試験を補完するために導入される路上走行試験について厳格化を決める。

来年9月から導入される新たな試験は、新世代のガソリン直接噴射(GDI)が排出する健康に有害な超微粒子もテスト対象になる予定だが、自動車メーカーは2019年まで導入を先送りするよう求めている。

欧州自動車工業会のエリック・ヨナー事務局長は「規制の先行きが不透明で、製造者の側には必要な変更を施すために必要な時間が少な過ぎる」としている。

これに対し、欧州委員会のスポークスマンはロイター通信に「自動車メーカーは既に微粒子排出量の少ない車の設計を始めていなければならなかった」と述べ「人々の健康がかかっている」と強調した。

運輸・環境関連のキャンペーン団体は、ガソリン微粒子フィルター(GPF)などGDIエンジンによる大気汚染を軽減するための安価な技術が存在すると主張。GDIエンジンはそれまでの世代のエンジンと比べて10倍もの微粒子を排出するとしている。

EUの関係者によると、フォルクスワーゲンが米国で排ガス規制を不正に逃れていたことを認めて1年がたち、フランスやドイツは来年までには欧州委員会による規制強化の提案を支持すると期待されている。

ただ、イタリアやスペインのほか東欧のいくつもの国々が、同じような姿勢を示すかどうかは不透明だ。

T&Eのグレッグ・アーチャー氏 は「投票は紙一重だ」と指摘している。

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