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東電改革での統合・再編案、誘導する競争政策を検討=経産相

2016年12月20日

[東京 20日 ロイター] - 世耕弘成経済産業相は20日の閣議後会見で、東京電力改革・1F問題委員会が同日、原子力、送配電における他電力との再編・統合を東電に促す提言案をまとめたことについて「制度的にそうしたことが行えるかどうか、連携を誘導する競争政策を省内でもよく検討していきたい」と述べた。

有識者による東電改革委は8回目となった同日の会合で、福島第1原発事故関連の巨額の費用を捻出する目的で、東電が改革を実行する必要性を指摘。原子力事業と送配電事業において他電力との再編・統合を進めるよう促した。

一方、他の電力会社には、政府の公的管理下にある東電との再編・統合に巻き込まれることに対する警戒感が強く、東電改革委が提唱した構想が実現するかどうかは不透明だ。

世耕氏は会見で、提言案が示した再編・統合を確実に実現させるための制度的な根拠については「制度的な(根拠となる)点はない」と述べた。その上で「東電が関係各社と話し合って連携関係を作っていくことが重要だ」と指摘した。

<東電、再建計画を改定へ>

改革委の提言では、原子力、送配電の統合・再編に向けた取り組みとして、東電と中部電力<9502.T>が進めている火力発電・燃料調達事業の統合の事例を参考に、今後パートナーを公募すべきとしている。

提言を受けて東電は、2014年1月に政府の認定を受けた長期再建策(総合特別事業計画=総特)について、原子力損害賠償・廃炉等支援機構と共同で改定作業を詰める。

改革委にオブザーバー参加した東京電力ホールディングス<9501.T>の広瀬直己社長は、原子力、送配電での再編・統合について「相手もあることだが、目指すべき方向性ということで(改定総特に)何らかの形に書いていく」と述べた。

<再編相手、めど立たず>

廃炉、賠償、除染など約22兆円に上る福島原発事故の費用のうち、東電が捻出するとされる資金は約16兆円。これらを賄う上で鍵を握るのが柏崎刈羽原発の再稼働だ。

提言は原発再稼働について「確実に収益の拡大をもたらし、(賠償、廃炉など)福島事業の安定にも貢献する」と明記した一方で、「東電は事故を起こし、単に規制基準をクリアするだけでは(再稼働に対する)国民の理解は到底得られない」とした。

再稼働実現には、柏崎刈羽から「東電色」を薄める必要があるというのが、再編・統合を促す経産省側の狙いだ。同省幹部は「原子力の信頼度を高める方策を世の中は求めている」と話す。

東電が原子力の再編・統合を他電力と進める場合、経産省側は東北電力<9506.T>を有力候補に想定しているとの見方が根強い。

柏崎刈羽原発が立地する新潟県を営業区域とする東北電は、同県とのつながりが東電よりも深いうえ、東電と同じく沸騰水型原発を運転してきた実績があるからだ。

ただ、東北電の原田宏哉社長は「提携や再編は全く念頭にない」と、10月と今月の記者会見で繰り返し強調。東電改革委の議論との温度差が明らかになっている。

東北電に限らず「電力業界には経産省主導の原発再編案への警戒感が非常に強い」(業界関係者)ことから、東電が新再建計画で打ち出す再編案も、現状では実現性に疑問符がつく状態だ。

*内容を追加します。

(浜田健太郎 編集:山川薫)

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