また、太陽光をはじめとする再生可能エネルギー事業においても、計画から設置工事、発電監視、O&M(運用・保守)まで一貫して自社で行うため、それぞれのコストを抑えることができる。キットの売り切りではなく、O&Mサービスによる継続的なビジネスがあり、さらには自社発電所の運営なども行っていることから収益性が高く、経営基盤も盤石だ。

 三井住友銀行は16年9月、同社に対して、電力小売事業資金向けシンジケート・ローン組成に際して「SMBC環境配慮評価融資」を実施した。「特に『環境マネジメント』『環境負荷把握の取組』『環境ビジネス』の面で高く評価いただきました。企業経営において良好な環境配慮を実施していると判断されたと考えています」と中村氏は話す。

エネルギー・フリー社会を
支援するサービスを創出

 新電力市場は、FITの終了が一つの転換期となる。中村氏はそれを見据え、16年11月、自社製品の顧客向けに30年間にわたって電力の買い取りを保証するサービス「Looop FIT(ループ・フィット)」の提供を開始した。

「FIT終了後も太陽光発電所を支えていく」と中村氏は力を込める。そう言い切れるのも、同社の再生可能エネルギー・ビジネスが継続性の高いものになっているからであろう。中村氏はさらにその先を見ている。

「当社の理念は『自然エネルギーをあなたのそばに。』です。再生可能エネルギーの普及をさらに促進する仕組みづくりに努めていきます」

 太陽光発電だけでなく、風力発電や地熱発電など、地域に合った電源も提案していく予定だ。すでに、風力の「MY発電所キット」の販売を開始している。また、地熱発電では、鹿児島県の指宿市で地熱発電所の実証実験を行っている。

「私たちの願いは、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー・フリー社会の実現です。50年頃には、ドローンを利用した物流サービスや自動運転のタクシーの普及も考えられます。それに合わせて管理サービスや非接触給電ステーションなど新たなインフラも必要になります。私たちはそのインフラを生み出し、社会を支える存在になりたいと考えています。100年後には地球以外の惑星に人が住むようになっている可能性もあります。そこでエネルギーをつくり、供給するというだけでも壮大なビジネスになります。そうした未来像は、今は非現実的に思えるかも知れませんが、月へ人類を送ると宣言したケネディ大統領のようなムーン・ショット(壮大な目標)を常に持ち続けながら挑戦を続けたいですね」と中村氏は結んだ。

 同社ならそれを「夢」に終わらせないだろう。それだけの力強さ、可能性を秘めている。

問い合わせ先:
株式会社Looop
ホームページアドレス  https://looop.co.jp/
電話番号 03-4531-9593

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