キリンビール社長 松沢幸一<br />価値伝え切れずシェア低下<br />市場の構造危機へ対応急ぐPhoto by Masato Kato

──2010年ビール類のシェアで2位となった。09年に9年ぶりに首位を奪還したが、再びシェアを落としてしまった。

 無理な数字づくりはしない。結果は受け入れている。

──反省点は。

 新商品「本格辛口麦」は発売が7月下旬となり猛暑の追い風に乗り遅れた。(販売終了となった)「サウザン」は硬度1000の硬水使用というコンセプトが弱かった。プレミアムビール市場が盛り上がっているが、「一番搾り」はプレミアムビールという価値を消費者に伝え切れていない。

──今年のビール類の販売計画は数量で前年比2.4%減と弱気。市場を創造したノンアルコールビールも3.3%増と控えめだ。

 計画はあくまでも最低水準。緻密に市場を分析した結果の計画だ。だが、09年、10年と期中に上方修正しているように、天候や新商品の動向で上乗せは十分可能だ。