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アングル:次の震源地はオランダか、下院選が債券不意打ちも

2016年12月21日

[ロンドン 19日 ロイター] - 来年3月のオランダ下院選挙では、反イスラム、反欧州連合(EU)を唱える極右政党が得票を伸ばし、債券市場は不意を突かれる恐れがある。英国民投票、米大統領選に続き、既成政党に反発する有権者の票が再び市場を揺さぶるかもしれない。

一部の投資家は既にオランダ国債への投資を減らしている。しかしイタリア国債利回りが12月4日の国民投票前に1年2カ月ぶりの高水準まで上昇し、フランス国債利回りが来春の大統領選を警戒して11カ月ぶりの高水準で推移しているのに比べると、オランダ国債利回りの上昇は控え目だ。

アリアンツ・グローバル・インベスターズの債券グローバル責任者、Franck Dixmier氏は「オランダとドイツの国債利回りスプレッドは、オランダの政治リスクを十分に反映していない。自由党は選挙に勝たないまでも、議席を伸ばして『Nexit=ネグジット(オランダのEU離脱)』について発言力を強める可能性が高い」と語る。

英国が6月の国民投票でEU離脱を選択した後、自由党のウィルダース党首はオランダも同様の国民投票を実施すべきだと述べている。

世論調査によると、下院選挙が今行われた場合、ルッテ首相率いる自由民主党は現在の43議席の約半分を失って23議席となり、自由党の33議席を下回る。連立を組む労働党も38議席のうち28議席を失う可能性がある。

<割高感>

オランダ10年国債とドイツ10年国債の利回りスプレッドは14ベーシスポイント(bp)と、過去5カ月間ほどで最大となっている。しかし米大統領選でトランプ氏が勝利して以来のスプレッドの拡大ぶりは、フランスやイタリアの国債に比べれば小幅だ。

INGの債券・金利戦略グローバル責任者、パドライク・ガービー氏は「オランダとドイツの10年国債利回りスプレッドが30bpまで開けば、買いに戻る好機になるだろうが、10bpを下回ればリスクの織り込みが不十分だと言わざるを得ない」と語る。

アナリストは、自由党のウィルダース党首が次期首相に就くとは予想していない。他の大中の政党は、自由党に与してネグジットを支持することに後ろ向きだからだ。

ABNアムロの見方では、たとえ自由党が政権に入ったとしても、オランダ国民の過半数がEU離脱を支持する可能性はまだ低いため、国債利回りへの影響は限られるはずだ。

また、仮にネグジットの恐れが生じた場合には、ユーロ圏崩壊のリスクが高まり、イタリア、ポルトガルといった周縁国の国債の方が顕著に売られるかもしれない。

反対に、格付けが最上級のドイツ国債の需要は高まりそうだ。ユーロ圏の「中核国」であるオランダの格付けもドイツと同じ「トリプルA」で、周縁国に比べて安定して推移する傾向がある。

それでもブラックロックの欧州債券責任者、マイケル・クラウツバーガー氏は、同社がオランダ国債をアンダーウェートにしたと語る。これは選挙を巡る不透明感が一因だが、最大の理由はオランダ国債の割高感だ。

 「フランスやイタリアにも不透明感はあるが、市場はそれを完全に織り込んでいる。オランダは織り込みがやや足りない」とクラウツバーガー氏は話した。

(Dhara Ranasinghe記者 John Geddie記者)

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