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非正規同一待遇へ指針、企業は抵抗 立証責任など課題残る

ロイター
2016年12月21日
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12月20日、安倍晋三首相が「働き方改革」の最優先事項に掲げる「同一労働同一賃金」の実現に向け、非正規労働者の差別に関する政府のガイドラインが示された。写真は都内のオフィスビル、昨年3月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 20日 ロイター] - 安倍晋三首相が「働き方改革」の最優先事項に掲げる「同一労働同一賃金」の実現に向け、非正規労働者の差別に関する政府のガイドラインが示された。

 将来的に非正規であることを理由にした賃金・待遇差別の禁止へ第一歩を踏み出したが、労働コストの確実な増加が予想され、企業側は抵抗姿勢をみせており、違法性の立証責任を労働側に求めている。実効性の確保には、なお多くの課題が残っている。

あいまいな差別禁止へ踏み出したガイドライン

 「安い労働力として増えた非正規雇用者は、今や労働人口の半数弱まで達した。日本社会の持続可能性という視点から、企業にも価値観を共有してほしい」──。

 非正規労働者の待遇改善に取り組む全国ユニオンの関口達矢事務局長は個人的見解としながらも、賃金・待遇の均等均衡への理解を訴える。差別待遇が不合理であるか否かで裁判に発展せざるを得ない事例がある中、待遇改善はなかなか難しいとみている。

 政府が今回発表したガイドラインによると、基本給の正規・非正規間の差について、これまで企業側が理由として挙げることが多かった「将来の役割期待が異なるため、賃金ルールが異なる」といった主観的理由だけでは足りないとしている。

 この点について政府は「これまでと大きく異なる」(内閣官房幹部)としている。また、現在の業務に関して同じキャリアを持つならば、非正規を理由とした賃金差は不合理と見なされる。手当も非正規社員へのボーナス支給や休暇付与は同一とすることも盛り込んだ。

 ただ、ガイドラインには法的根拠がなく、強制力もない。「ガイドラインという位置付けであれば、実効性が期待できない。(法改正とともに)できれば企業が取り組みの実行計画を発表することなどが望ましい」と、働き方改革会議の有識者委員を務める少子化ジャーナリストの白河桃子氏は指摘する。

 政府も今回のガイドライン案をもとに、来年早々にも労働関連法(労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法)の改正案作業に取り組む。法案が国会を通過して初めてガイドラインが有効となるため、具体的な事例による差別が禁止され、実効性が伴うまでには相当の時間がかかりそうだ。

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