エヌエヌ生命では、三つのコアバリューと「変わりつづける力」を重視しながら「働きがいのある会社」を目指している。同社の成長に不可欠な優秀な人材育成を、どのように行っているのか、人事を担当する吉野匡毅・常務取締役に聞いた。

「チャレンジして 失敗してもいい。 成功と成長への 効果的な失敗は認めたい」
吉野匡毅(まさたか)常務取締役

 「『働きやすい会社』にするには、福利厚生を充実させ、ワークライフバランスを良くすればいいのですが、私たちが目標とするのはさらに上の段階。会社の成長のため『働きがいのある会社』を目指しているのです」と吉野常務取締役は説明する。

 目標達成のための四つのポイントは、まず、ビジネスを通して社会貢献するという誇りを持つこと。お互いを尊重して価値観を共有すること。イノベーションや変化へのサポートを感じられること。成長する機会があること、の四つである。

 「どんなに優れたビジネス戦略や方向性を打ち出しても、会社のカルチャーがそれを支えない限り、戦略自体が成り立ちません。そのためには、トップダウンだけでなく全社員のボトムアップの力も加え、両方向から企業文化を強くしてゆく必要があります」

自由闊達に意見を言えるフラットな環境が
ボトムアップを促す

 同社の人材育成プログラムには、その思いが体現されている。例えば「NN Group Leadership Bootcamp」は、世界中のグループ各社からミドルキャリアの25人が参加、約6カ月間通してワークショップやチームビルディングを継続的に行い、NNグループのビジネス課題に取り組む。国や地域を越えてキャリア機会を提供する制度として長期・短期のアサインメント(人材交流)や、若手社員が経営参画する「Future Leadership Program」などがある。

透明性・創造性をコンセプトとしたエヌエヌ生命本社にある「トレーニングセンター」

 国内外を通じて、チャレンジした結果の失敗は許容、自由闊達に意見を言えるフラットな環境が、ボトムアップを促し、結果的に社内全体の「変わりつづける力」を促進する。このあたりが、NNグループの発祥の地であるオランダの「トップダウンではない、最終的に話し合いで解決策を見いだすコンセンサスベースのディスカッション、差異に柔軟に対応していく“現地主義”の文化が反映されている」(吉野常務)という。

 同社社員の71%は中途採用で、多様な経験や高いスキルを持つ人材が集まっている。MRの採用では営業的な優れた能力があれば、業種は問わない。ただし、中小企業の課題に対応するためには高い専門知識が必要とされるため、現場に出るまでのトレーニングレベルは高く、同業他社の営業担当者の評判になるほどだ。

 「当社の社員は常に、自らのスキルや能力をお客さまのために高めたいと考え、日本経済を支える中小企業のサポーターとして社会に貢献したいという共通の強い志を持っています。当社の企業風土を一言で言えば、したたかな柔軟さを持つ強い組織であること。今後も各個人が変革とチャレンジし続けられる組織を目指していきたいと考えています」と語る吉野常務。強力な人材を育成する力が、同社の飛躍を支えている。

問い合わせ先:
エヌエヌ生命保険株式会社
ホームページURL:https://www.nnlife.co.jp/