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インタビュー:収益性高い資産へ入れ替え=SMFG社長

2016年12月22日

[東京 22日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>の宮田孝一社長は、ロイターとのインタビューで、今後は資産規模の拡大よりも、収益性の高い資産への入れ替えを進め、効率性を重視していく必要があるとの認識を示した。来年度から始まる中期経営計画で、その方向性を打ち出す考えだ。

宮田社長は「国際金融規制の最終案がまとまる方向だが、効率的に資本を使わざる得ない中身になる。また、今後は外貨調達コストが上がる見通しで、従来のように一本調子で海外の貸出債権を増やすのは難しい」と語った。

英国の欧州連合(EU)離脱に向けた対応については、英国に置いている欧州の拠点を「ロンドン以外で、どこに焦点を当てるべきか議論を始めている」と述べ、調査に入っていることを明らかにした。

宮田社長は来年4月、持ち株会社と三井住友銀行の会長を兼務し、両社の取締役会議長を務める。

インタビューの詳細は以下の通り。

――来年度からの中期経営計画では、資産規模はどのように増やす考えか

 「少しは膨らむが、今までのペースではないというのが単純な答えだ。この3年間はバランスシートを拡大して収益を上げようとしてきたが、途中で環境が変わった。その環境がまだまだ続くとなると、経費も含めてより効率的な経営を進め、きっちり当期利益を上げなければならない。それが正しい時代だと思っている。いたずらに大きくしない」

 「2つの要素があり、1つは国際金融規制がファイナライズされるが、私たちが効率的に資本を使わざるをえない規制になる。2つ目は、これまで年間2兆円ずつ海外貸出資産を増やしてきたが、このペースを維持するのは難しくなっている。このためバランスシート(BS)のコントロールが大事で、BSの中身を資産効率、収益性の高いものに入れ替える時代になる」

――収益性の高い資産とはどのようなものか。

 「例えば、企業買収に伴うファイナンスやリース資産などが挙げられる。利回りが良く、転売ができるものだ」

――外貨の調達環境をどう見ているか。

 「大変なイベントが起きなければ、調達環境は平穏だと思う。むしろ気にすべきは量の確保よりも調達コストだ。日本の他の投資家が外貨アセットを増やしており、為替やスワップマーケットにも、その動きが反映されている。従って調達コストが上がる中で、どのように海外での貸出スプレッドを確保するのかが課題だ」

 「海外ビジネスを拡大してきたが、これまでのアセットを増やして収益拡大するという軸足から、今後はもっと頭を使って収益を上げていく。例えば運用難の日本の投資家にアセットを転売していくことで、収益を確保する。当然、残高の伸びはスローダウンする」

――外貨調達の観点から米銀の買収などは検討に値しないか。

 「外貨ファンディングを考えると、むしろ傘下のSMBC信託にある1兆円のドル預金をどのように増やすのかの方が重要だ。バーゼル規制もまだ固まっていない中で、資本を大きく使うような買収は、まだ様子をみたほうがいい。米国では大企業取引しかやっていないので、それ(リテール業務)よりも貨車リースなどスプレッド厚い資産を買収した方がいいと考えている」

――英国のEU離脱(ブレグジット)の影響は。

 「ブレグジットに関し一定の方向感が示されて、調査を始めている。私たちのヨーロッパ地区のローン資産で言うと、ロンドンでブックしているのは2割だけだ。大陸との分散を図っている。ただ、今後、人の配置やヘッドオフィスをどこに置くのかなどで、ロンドン以外でどこに焦点を当てるのかという議論は始めている。今は、スタディして準備をしておけばいいだけど、拠点を移さなくていいのであれば、移さない」

――経費率が高止まりしている。

 「経費率が上がっているのは、すごく問題だ。3メガ銀行の中で、まったく際立っていない。しかし、来年度から導入する事業本部制では、向き合っている顧客ごとに本部制を敷く。事業本部のヘッドは、各事業本部のボトムラインやROEを意識することになる。そうなると、自ずと経費率のソリューションに向かっていくだろう」

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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