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EU・シンガポールのFTA、国ごとに議会承認必要=欧州司法裁

2016年12月22日

[ルクセンブルク 21日 ロイター] - 欧州司法裁判所のエレノア・シャープストン首席法務官は21日、欧州連合(EU)とシンガポールの自由貿易協定(FTA)は、欧州の貿易戦略に影響を及ぼすことが予想されるとして、発効に向けた承認手続きの簡素化(ファストトラック)は認められないと述べた。

欧州委員会とシンガポールは2014年10月にFTAの締結交渉を終了し、現在はEU加盟国政府と欧州議会の承認を待っている。

シャープストン氏は、自らの結論に照らすとEUが承認に向けた手続きを加速することは、さらに難しくなるだろうと述べた。

欧州司法裁判所の裁判官らは、大多数の事案で法務官の意見に従う。

問題となっているのは、FTAの締結がEU固有の権限なのか、EU加盟国との間で共有する「混成」権限なのかという点だ。

EU固有の権限であれば、EU加盟28カ国の政府と欧州議会の承認で比較的早期の発効が可能だということを意味する。混成権限だと判断されれば、各国の議会のほか、場合によっては地方議会の承認も必要になる。

2011年に暫定適用が始まったEUと韓国のFTAが全体の発効までに5年近くかかったように、後者の手続きには長い時間が必要となる。同時にどんな協定も自由貿易に反対する政治勢力によって葬り去られる可能性が高まる。

欧州司法裁判所は声明を出し「法務官は、批准手続きにEUとともに加盟国全てが関わることに困難が生じる可能性を指摘しつつも、そのことが協定締結の権限が誰にあるかという問題に影響を及ぼすものではないと考えている」とした。

シャープストン氏はモノの貿易や、外国の直接投資・競争などはEU固有の権限であるが、航空あるいは海運による貿易や、政府調達に関する規定については、そうではないとした。

EUはカナダ、ベトナムとも通商協定の締結交渉を終えているが、発効に向けてはいまだに承認待ちだ。日本との交渉も終了する可能性がある。

EUは米国とも通商協定を結びたい考えだが、トランブ次期米大統領が就任するまで協議は保留状態になっている。

カナダとの包括的経済貿易協定(CETA)は、協定に盛り込まれた投資家保護のシステムが問題視され、多国籍企業が公益政策を支配するようになると、労働組合や環境団体の抗議の的となっている。

欧州委員会は当初、CETAの締結はEU固有の権限であると決定した。しかし、EU各国政府からの圧力を受けてユンケル欧州委員長は混成権限であるべきだとの考えに同意した。CETAは来年早期に暫定適用となる可能性がある。

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