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アングル:欧州で増える少数与党政権、来年は政策運営に苦心か

2016年12月22日

[ダブリン/マドリード 20日 ロイター] - スペイン、アイルランドなど欧州の少数与党政権は今年、連立相手との歩み寄りによって辛うじて政策運営を乗り切った。来年は多くの欧州各国で選挙が予定されており、少数与党政権がさらに増えて政策遂行に苦心する恐れがある。

スペインでは看板政策の労働改革に野党が反旗を翻し、アイルランド与党は先週、重要な住宅賃貸に関する法案の審議で野党の支持確保に四苦八苦した。

ノルウェーとデンマークでは何週間も政争が続き、少数与党政権が崩壊の危機に瀕している。

来年はオランダ、フランス、ドイツ、イタリアと選挙が相次ぐ見通し。少数与党政権が発足するようなら、妥協とそれに伴うリスクに直面するかもしれない。

コメルツバンクのエコノミスト、ピーター・ディクソン氏は「有権者は変化を望んでいるだけで、どのような変化を望むのか明確な考えがあるわけではない。少数与党政権の場合、信頼に足る経済政策を保ちながら、同時に有権者の要求に答えるのは至難の業だ」と言う。

政府が必要な政策を遂行できず、「政策が後退する恐れがある」上、ただでさえ弱体な政権に政治リスクが積み重なる恐れがあるとディクソン氏は警鐘を鳴らした。

<ビッグバンは望み薄>

スペインのラホイ首相は主要政策を巡り、野党と歩み寄る姿勢を示しており、専門家によると選挙回避のために妥協が成立する可能性がある。

同様に、ポルトガルでも与野党が舞台裏で取引し、一部の予想に反して財政政策で折り合いをつけることができた。

リスクコンサルタント会社、テネオ・インテリジェンスのシニア・アナリスト、アントニオ・バローゾ氏は「大規模な改革を行えるほどの勢いは見当たらないが、スペインのように大政党の思惑が一致し、ある程度の変化を起こせている国もある」と説明。「例えば、投資家が求める年金改革などはこうして可能になった。ビッグバンは望めないが、徐々に歩を進めることはできる」と話した。

しかしコメルツ銀行のディクソン氏は、欧州の政治は分断化の一途をたどっており危ういとし、問題が起こっても「2010、11年のような政策措置を実行に移せる状態でないのは明らかだ」と述べている。

(Padraic Halpin記者 Julien Toyer記者)

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