コマツ社長 野路國夫<br />米国市場に回復の兆し<br />売上高で記録更新も視野にPhoto by Toshiaki Usami

──建機市況の動向は。

 リーマンショックで一時は需要が冷え込んだが、新興国の成長に牽引され、来年には台数ベースで過去最高水準に達する見込みだ。とはいえ、需要の内訳は過去と一変した。かつては日米欧が6割以上を占めていたが、今では3~4割程度。需要の多くは新興国だ。

──中国に減速感は見えないか。

 中国の成長は前年比2~3割増という相変わらずの堅調さだ。

 中国国内の建機台数は約70万台。一方、中国よりも国土が小さく、公共工事も減少する日本が約55万台であることを考えれば、中国市場は現在の3~4倍にまで拡大するのではないか。

──コマツにとっては、中国が最大市場となった。現地への生産機能のシフトを進めるのか。

 日本を中心とする生産体制は、今後も変えるつもりはない。当社のグローバル生産の方針は二つ。一つ目は、キーコンポーネントの開発・生産は日本で行うということ。これを輸出して現地で組み立てる。二つ目は、一度進出したら絶対に撤退しないということだ。