未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのは、ビジネスには欠かせない各種提案書作成のノウハウで高い評価を得ている『説得力のある提案書の書き方~顧客、クライアント、契約者を増やすためのテクニック~』です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー

企画書やプレゼン資料作成のコツが5つの要素と4つのステップすっきりわかる!<br />『説得力のある提案書の書き方~顧客、クライアント、契約者を増やすためのテクニック~』

『成功する提案書』作りに欠かせない
条件をシンプルにわかりやすく

 優れた提案書とは、様々な業種業態を問わず、必ず高いクオリティで作成されているものです。この書類一つでビジネスの機会は大きく左右され、企業経営の成長にとっても計りしれない影響を及ぼします。

 今回ご紹介する書籍『Persuasive Business Proposals(説得力のある提案書の書き方)』の著者トム・サント氏は、幅広い顧客層から得たコンサルティング経験を元に提案自動化システムを開発しました。特に契約者を増やすテクニックから最適なソリューション提供についてのガイドラインを確立したことで、今日まで顧客の期待度を向上させ続けています。

 アメリカ国内でも類書が多い中、非常に高い評価を得ている本書は、この『成功する提案書』の作り方に欠かすことのできない、いくつかの条件について、シンプルにわかりやすく解説してくれています。

 例えばその中の一つ、顧客から絶大なる信頼を勝ち取る為の文書作成術について。この部分は誰しもが当たり前のように考え、意識した上で作成に取り組む部分なのですが、戦略的な提案書、つまり『成功する提案書』と呼べるものには凝縮された5つの要素と4つのステップが存在していると説明しています。

 その基本は、「顧客目線」で作成することにあります。実際、ビジネス上、セールスの世界において最も問われるコミュニケーション能力、それは相手の立場を理解し相応しい関わりを持つことに他ならないのです。

 この能力こそ、人との円滑な関係を構築する最短ルートであるといえるでしょう。そして特に、この点において本書では、説得力の本質は顧客視点にあることの重要性をこと細かく解説してくれています。

 二つ目の例としては、提案書作成において何がOKで何がNGなのかを具体的に掘り下げて解説してくれていることです。例えば、95%の人が陥るありがちな失敗、そのケーススタディについても丁寧にわかりやすくまとめてあります。

 本書を読み終える頃には、『成功する提案書』に必要不可欠な説得力の本質を理解することができ、これまで作成した提案書に目を覆いたくなるかも知れません。しかし、裏を返せば顧客目線で練り上げられた『成功する提案書』を作成する能力は、今後の企業経営にとって明確なビジョンや多大な恩恵をもたらし、素晴らしい価値を生み出すものであることがわかります。

 書類ひとつがいかようにもビジネスを発展させてくれる、ということを大いに気付かせてくれる、非常に価値ある1冊です。 

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