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ドローン宅配、日本でも実験開始!離島暮らしの救世主になるか

待兼 音二郎
2017年1月12日
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 ところで今治市内の有人島は、しまなみ海道の通る島とそれ以外に分かれる。前者は大三島、伯方島、大島で、面積人口ともに大きいが、後者の関前諸島を構成する岡村島、小大下島、大下島はいずれも小さく、過疎化と高齢化がいっそう進んでいる。そこで以下では、大三島の盛地区と関前諸島の事情の違いを比較してみた。

 まず大三島の盛地区だが、上浦町内には食料品の小売店が1店あり、自社の軽トラックで今治市内の市場から買い付けて営業し、繁盛している。また、農協Aコープもあり、規模の上でも町内の主要店舗となっている。ほかに、市内食品スーパーの移動販売車による巡回販売が火・金・日の週3回ある。なお新聞は今治からの配達で、午前5時頃と、都市部と大差ない時間には届くようだ。次に宅配便については、ヤマト運輸は隣の伯方島の拠点から各家庭に配送しているが、とくに離島加算などはない。

 このように、大三島ではしまなみ海道のおかげもあって、島嶼部ゆえの不便さはさほどないようだ。そしてフェリーを使えばすぐの広島県よりも、やはり今治との結びつきのほうが強いこともわかった。

 ところが、島内における商品価格は、通行費用の加算もあって全般的に高くなっている。そのため、雑貨や衣料品などでは品揃えも考えて、クルマで島外に出る人も少なくない。

 「今治に行くよりも高速料金が安いこともあり、島内の若い人たちは尾道の先の広島県福山市まで買い物に出かけることが多いようです」(今治市企画課)

橋がない小大下島と大下島はスーパーがなく
生鮮食料品の購入が課題

 次に関前諸島の3つの島だが、岡村島と残りの2島(小大下島[こおげじま]と大下島[おおげじま])で状況が大きく異なる。一番西にある岡村島は、2008年に「とびしま海道」の橋が開通したことで、芸予諸島の島伝いに広島県呉市まで道路でつながった(呉市側の最後の橋のみ有料)からだ。

 この橋の開通により、物流の流れが大きく変わった。岡村島のAコープの商品は広島県から届くようになり、宅配業者もヤマト運輸と佐川急便は「とびしま海道」経由で集荷に赴くようになった。一方、宅配便の配達や、新聞、郵便には今治港からの市営渡船や旅客船が使われている。ちなみにこの島には、松山市内のスーパーの移動販売車も毎週金曜日にやって来る。

 ところが、小大下島と大下島は橋がなく、すべてが今治港からの旅客船頼みとなっている。人口は小大下島が20~30人、大下島が200人ほどで、島内には食品スーパーと呼べるものはなく、生鮮食料品の購入が課題となっている。今治の病院まで出かけるついでに、買って帰る人も多いようだ。

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