12月20日、米ホワイトハウスでサイバーセキュリティーを担当する現・元顧問によれば、大統領選挙期間中、インターネットを介してロシアが仕掛けてきたデマ作戦に対しては何ら確固たる戦略を持っていなかったという。写真は1日、モスクワで演説するロシアのプーチン大統領(2016年 ロイター/Maxim Shemetov)

[20日 ロイター] - 米国政府は10年以上にわたって外国勢力による悪意あるハッキングへの対応を準備してきたが、ホワイトハウスでサイバーセキュリティーを担当する現・元顧問によれば、大統領選挙期間中、インターネットを介してロシアが仕掛けてきたデマ作戦に対しては何ら確固たる戦略を持っていなかったという。

 はるかに大きな労力が投じられてきたのは、こちらから仕掛けるハッキング攻撃の計画、可能性は低いものの甚大な損害につながる電力網や金融システムに対する電子的な攻撃、あるいは直接敵に投票システムを不正操作しようという試みへの備えだった。

 連邦政府の顧問と情報機関の専門家らによれば、ここ数年、米国の情報機関は、ウクライナなどの地域におけるロシアの組織的なハッキングとデマ拡散を追跡してきたという。だが、そうしたプロパガンダが米国を標的にするリスクについて、政権内での持続的かつハイレベルな協議はほとんど行われなかった。

 セキュリティー関係者によれば、大統領選挙の期間中、そのリスクは現実のものとなり、選挙結果を変えてしまった可能性もあるという。だが米国の当局者は、言論の自由が憲法で保障されているため、ロシアの支援を受けたプロパガンダの企てを捜査することに限界を感じていた。

 元ホワイトハウス当局者は、米国政府が外国に支援されたデマの流入に対する抑止を試みても、政治的、法的、倫理的に大きな障害に直面すると警告する。

「大規模な監視を行い、自由を制限しなければならないだろう。しかしわれわれにとっては、そうしたコストは受け入れがたかった」と元当局者は匿名を条件として語った。「彼ら(ロシア)は、われわれがやらないような方法で情報の流通をコントロールできる」