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インタビュー:ファンドラップ残高を2─3年で3兆円に=大和証社長

2016年12月28日

[東京 28日 ロイター] - 大和証券グループ本社 <8601.T>の日比野隆司社長は、2017年について、原油安などのネガティブな要因が後退し、日本経済がデフレから脱却する可能性は「かなりある」と述べた。

貯蓄から資産形成への流れの受け皿としての投資一任サービス、ファンドラップの残高は今後2─3年で倍増させたいとの方針を示した。ロイターとのインタビューで述べた。

日比野社長は、米国は引き続き投資先として有望で、日本企業によるM&A(合併・買収)は継続するとみている。大和の米国におけるM&Aの陣容も医療関連や金融関連などのカバレッジを強化したいという。

インタビュー主な内容は以下の通り。

──2017年の経営環境はどうなるか。

 「マクロ経済は緩やかな回復基調にあり、来年は原油(価格)の波乱要因は、今年と比べるとぐっと小さくなるだろう。国内景気はなかなか底堅い。実質賃金も多少ながら上昇し、日銀は相当程度インフレになるまで緩和的な状況を続けると言っている。国内発の経済、企業業績の悪化はないだろう。米大統領の就任時の一般教書演説を見極めたい」

 「来年は、海外発で予期せぬことが起こらない限り(日本のデフレ脱却の)チャンスはかなりあると思う。日経平均株価<.N225>のレンジは1万7000円から2万3000円を予想。中国が経済の構造改革を図ろうとする中で米国と激しいことになると、アジア経済への影響も考えられ、少しリスクになるとみる」

──デフレからの脱却で貯蓄から資産形成の流れはどう期待できるか。

 「(投資上限を年40万円とする)投資期間20年間の積み立てNISA(少額投資非課税制度)も始まる。スタートは再来年でも、機運は盛り上がるだろう。個人型確定拠出年金(イデコ)も所得控除のメリットの大きさなどを分かりやすく説明していきたい。経営上の収益、利益には10年くらいは貢献しないだろうが、長い目でみて裾野を広げる」

──相続ビジネスも強化している。リテール業務への貢献度は。

 「計数化するのは難しい。10月には(3000万円からの契約を対象とする)ファンドラッププレミアムもスタートしており、時間をかけながら増やす。亡くなられた際の資産がどう配分されるかなど相続の機能を入れている。相当レベルで(お金が)動き、最もニーズがある」

──大和のファンドラップの残高は約1.6兆円だが、今後の目標は。

 「1月末あたりに100万円より下の金額で始められるファンドラップ・オンラインを導入し、ロボアドバイザーの機能もつける。(残高は)多ければ多いほどいい。2─3年で3兆円、今の倍くらいになれば妥当なところかと思う」

──米政権交代後、日本企業にとって米国の投資先としての魅力は維持されるか。

 「もうしばらく(日本企業の活発な海外M&Aは)変わらないだろう。(大和の)ホールセール部門でもビジネスの最重要課題の1つととらえている。兆円単位のメガディールはわれわれの得意分野ではないが、ミッドキャップは強みがあり、パイプラインも多い」

 「(出資先の米M&Aブティックの)セージェントの規模は(欧州のM&A部隊である)DCAのおよそ3分の1くらい。日本との連携を考えると、もう少し密にカバーするため、医療やフィナンシャル(の担当者採用)など隙間を埋める必要がある」

──どの程度の規模の増員か。

 「セージェントは完全子会社ではなく26%(の出資)のため、(大株主と)話し合いながら双方のメリットを追求していく。(増員規模は)現時点で分からないが、やはり米国市場は有望ではないかということだ」

 「(セージェントは)いい経営陣がおり、ほどほどやっていくのではないか。やはりバンカーを多少は採用していくということ。これは(両社の)話し合いになる。多少はこちらが先行投資的に考えなければならないかもしれない。タイムラグをおいて、ペイする(投資を回収できる)ようになるだろう」

──英国は欧州連合(EU)離脱を決めたが、ロンドンの業務は。

 「英国のシングルパスポートが喪失した場合に向け、規制当局に対応するチームがプランを作り、いろいろと考えている。ユーロ建て決済の商品や欧州の顧客カバーのために必要となれば、どこか欧州に1つ現地法人を設置すればよい。一般的には、ダブリン、フランクフルト、パリなどが挙げられるが、それも含めまだ決めてない」

※インタビューは12月21日に行いました。

(江本恵美、トム・ウィルソン 編集:内田慎一)

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