東京都港区芝5丁目。JR田町駅のほど近く、通称「第一京浜」、国道15号沿いの三菱自動車工業本社。その日、1階ショールームは、電気自動車(EV)「i-MiEV」で溢れかえっていた。

いわれなき電気自動車ネガティブ報道!<br />せっかちなメディアが見誤るメーカー側の本音三菱自動車工業本社(東京都港区芝5丁目)の1階ショールーム前。「i-MiEVまつり」で各種「i-MiEV」が集結。写真手前は、AKB48「渡り廊下走り隊7」仕様の“痛車”。

 ショールーム前には、バレンタインデースペシャルとして、AKB48「渡り廊下走り隊7」の痛車(いたしゃ/アニメキャラクター・アイドルなどの写真やイラストで外装する趣味車の総称)の「i-MiEV」を含む、様々なカラーデコレーションバージョンが5台。ショールーム内には、「プジョーiON」、「シトロエン C-ZERO」、「光岡自動車 雷駆」など「i-MiEV」のOEM(相手先ブランド製造)車など6台。さらに、特設ステージ上には2009年東京モーターショーにお披露目された「i-MiEV」の2ドア車、「i-MiEV SPORT」。これら合計12台が集結し、「世界に広がる、i-MiEVまつり」(2011年1月31日~2月6日)が開催された。

 そして2月5日(土)午後2時から、同ショールームで行われたのが、「i-MiEVトークショー  電気自動車オーナーに聞く本音」だ。

 冒頭、挨拶に立ったのは同社常務取締役(国内営業統括)の相川哲郎氏。相川氏は商品開発統括担当時代、「i-MiEV」の商品化を益子修社長と共に推し進めてきた人物だ。挨拶のなかで相川氏は「2011年のi-MiEV販売シェアは、同車全生産量のうち、1/3が日本向け、1/3が欧州向け、残り1/3がPSA(プジョーシトロエン)向けになる」と説明した。

 その後、筆者は、商用電気自動車の可能性について相川氏に直接聞いてみた。すると「今日も展示しているが、ヤマト運輸と実証試験を始める。もともと、i-MiEVの商用コンセプトモデルも公開しており、可能性はあると考えている。ただ、課題は(リチウムイオン二次)電池価格に関わる車両価格。商用車は(乗用車と比較して)かなり安くなければ売れない。今後、商品化の可能性を考慮していく」と語ってくれた。

 そこで筆者は「そうしたコスト意識の観点から、三菱自動車の電気自動車用リチウムイオン二次電池の購入先が(現在主力の)GSユアサ(三菱商事 、三菱自動車との合弁による子会社リチウムエナジージャパンでEV用リチウムイオン電池を生産)だけでなく、韓国LG Chemからも含めた、マルチソースになるとの報道があるが?」と聞いたが、苦笑いで返された。