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今が物価目標達成の好機、上振れ期待も=12月日銀会合の主な意見

2016年12月29日

[東京 29日 ロイター] - 日銀が今月19━20日に開いた金融政策決定会合では、米大統領戦後のトランプ相場を背景に、現行の「イールドカーブ・コントロール(YCC)」政策が円安を通じた物価引き上げ効果を増幅するとの見方や、物価が上振れることへの期待が示されていたことが、29日に公表された「主な意見」で明らかになった。

もっとも、トランプ相場が期待先行である点や、新興国からの資金流出などについての懸念も示され、慎重ながらも経済・物価見通しを引き上げ方向で議論した形跡が見られた。

 「主な意見」は、決定会合での9人の審議委員による主要な発言を議長である黒田東彦総裁がピックアップして公表するもの。発言者は匿名だが、会合の空気や、黒田総裁の問題意識が浮き彫りになるとして市場で注目されている。

今回の会合では、金融政策は現状維持としたものの、トランプ相場による急激な円安などを背景に景気判断を1年7カ月ぶりに上方修正していた。

<米景気、新政権でさらに加速の可能性>

 「主な意見」によれば、委員からは米国について「新政権の経済政策で景気がさらに加速する可能性」がある一方、「新興国を巡る資金フローの変化に注視必要」との意見が出た。市場は「期待先行の部分もあるため、展開次第で大きく調整する可能性も多分にある」との慎重な見方もあった。

物価については「市場動向次第で生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)の上昇率は幾分上振れる可能性がある」との見方が示された。

<YCC、「追い風を増幅」>

短期金利をマイナス0.1%に、長期金利(10年債利回り)をゼロ%に固定する現行のYCCについては「追い風を受けているとき、それを増幅して強い緩和効果を発揮し、2%(の物価目標)に向けたモメンタムに結びつく仕組み」と評価。日米金利差拡大による円安傾向をもたらし、物価を押し上げていくとの期待が示された。「今が、2%目標を達成する好機」との意見も出た。

今後の日銀の政策運営の焦点として、長期金利目標の引き上げの可能性が市場では取り沙汰されているが、委員の中からは過去の日銀の失敗を念頭に、「早過ぎたゼロ金利と量的緩和の解除などの経験を踏まえれば、相当の期間、現在の金利水準を続けるべき」との意見も出た。

14日の超長期債買い入れ増額については「YCCのもとでは国債買い入れペースが高まるリスクが相応に高いとの自身の懸念を裏付けるもの」との批判が出た。なお日銀は28日には超長期債の買い入れを減額している。

(竹本能文)

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