中国で事業を経営する上で、最も重要と言われている「ヒト」の問題。前回、ホワイトカラー中国人を採用・戦力化する上で重要なポイントを書いたところ、各方面から反響をいただいた。

 そこで今回は、もう少し現場に近い実践的な話として、「中国人の部下をうまくマネジメントするポイント」について、自分の経験も踏まえて書いてみたい。

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1.「俺は中国語が話せない」は、
デキない日本人の言い訳でしかない

 「中国語が話せない」ことは、中国人の部下をうまく使えない理由にはならない。母国語が異なり、育ってきた文化の違う中国人との協業は簡単ではないし、日本で日本人の部下と仕事をする場合に比べて、大変なのは当たり前なのだ。

 そんな状況の中で結果を出すためには、少なくとも日本で働く場合と比べて2~3倍は努力する必要がある。

 実際、中国語がほとんど話せないにもかかわらず、中国人チームを率いて、素晴らしい結果を出している日本人上司もいる一方、アフターファイブの活動の成果で中国語はある程度話せるようになっているものの、成果は全く出せていない日本人ダメ上司もかなり多いのが現状だろう。

2.日本語を話せる中国人に
頼り過ぎるのはよくない

 中国人チームを率いる場合、日本人リーダーが一番頼りにするのが、日本語を話せる中国人幹部、または通訳の中国人だろう。しかし、これは非常に危険な行為だということを認識する必要がある。

 上司であるあなたと中国人部下たちのコミュニケーションラインのハブとして、いつも特定の中国人が話に入ってくるようになると、必ずノイズが発生するからだ。ハブとなる幹部社員や通訳を通して入手する情報には、必ず彼または彼女の主観が入る。