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独12月CPI1.7%上昇、ECBには朗報 消費意欲削ぐ可能性も

2017年1月4日

[ベルリン 3日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が3日発表した2016年12月の消費者物価指数は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比1.7%上昇した。2013年7月以来3年5カ月ぶりの大きな伸びとなり、市場予想の1.3%上昇も上回った。

11月の0.7%上昇から伸びが拡大、域内最大の経済大国であるドイツで物価上昇圧力が高まっていることを示しており、2%弱のインフレ目標を掲げる欧州中央銀行(ECB)にとっては朗報となった。

ただ、インフレ高進は実質所得の減少にもつながりかねず、ドイツの消費者の購買意欲を減退させる可能性もある。

12月のドイツの非EU基準の消費者物価は1.7%上昇した。11月の0.8%上昇から伸びを拡大した。

非EU基準の物価データをみると、エネルギーと食料品価格の値上がりが全体を最も大きくけん引した。

DZ銀行のエコノミスト、マイケル・ホルスタイン氏は「これは非常に力強い物価上昇率だ」とし、過去の原油価格の値下がりによるマイナスの影響が薄れつつあると指摘。ここ数カ月以内にドイツの物価上昇率はECBの目標である2%弱に到達するだろうと述べた。

ドイツの物価上昇率の力強い回復は、ドイツ連邦銀行(中央銀行)の総裁でECB理事会のメンバーでもあるワイトマン氏のような保守派に、ECBの債券購入プログラムをより迅速に引き締めるよう主張する余地を与える。

ECBはデフレに近い物価水準を押し上げるために、ユーロ圏の経済に資金供給を継続してきた。3日の力強いデータは、ECBの財政保守派の間で政策を転換すべきだとの声が高まることが予想される。

4日に発表予定のユーロ圏全体の物価指数も予想を上回る伸びとなることが見込まれる。

市場予想では12月のユーロ圏のHICPは1.0%上昇が見込まれ、11月の0.6%上昇から伸びを拡大するとみられている。キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ジェニファー・マキュエン氏は1.2%程度の伸びを見込んでいると話す。

ただ、ユーロ圏の他の地域では、ドイツと比べて物価圧力は抑制されている。フランスの12月のHICPは0.8%上昇で、11月の0.7%上昇とあまり変わらなかった。マキュエン氏は「これを踏まえると、ECBが政策による経済支援を再検討することになるとは想像しにくい」としている。

物価上昇はユーロ圏全体から見た場合には、ECBにとって朗報と言えるが、ドイツ経済にとっては必ずしも良い兆しとはいえない。ドイツ経済は個人消費、建設部門の急成長と政府支出に依存してきたからだ。

マキュエン氏は「今年のエネルギー関連の一時的な物価上昇は、実質所得の伸びを抑制する。これはわれわれが経済回復は緩やかになると予想している主な要因だ」と述べた。

ドイツ政府は2016年の国内総生産(GDP)を1.8%増と予想する一方、17年は平日の日数が少ないことや輸出の減少を主な理由に1.4%に減速するとみている。

それでもエコノミストらは17年のドイツの労働市場は引き続き堅調であると予想している。

ドイツ連邦雇用庁は3日、昨年12月の失業者数は予想を超えて減り、失業率は記録的な低水準で推移したと発表した。

連邦雇用庁のワイゼ長官は「長い間、力強く伸びていた雇用が夏以降に鈍化したものの、新規労働者の需要は引き続き高い水準にある」と述べた。

連邦雇用庁によると、失業者数(季節調整済み)は1万7000人減の263万8000人だった。減少幅は市場予想の5000人の3倍以上だった。失業率(季節調整済み)は6.0%で、1990年の東西ドイツ統一以来の低水準を保った。

16年の通年では、記録的な4340万人が雇用されていた。15年より1%多く、労働市場は10年連続で拡大した。

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