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焦点:低迷続く米IPO市場、回復の「指標」は新興ソフト企業

2017年1月5日

[30日 ロイター] - 米国の新規株式公開(IPO)市場が今年、長期低迷を脱することができるかどうかは、無名のソフトウエア関連企業による株式公開の成否に掛かっていると言えそうだ。

2017年の目玉はフォトメッセージングサービス「スナップチャット」を運営する米スナップだろう。しかし他にもクラウドサービスのアプタス、仮想化関連サービスのティントリ、セキュリティのオクタなど、法人を顧客とする知名度の低いソフト関連企業十数社が17年中に株式公開に踏み切る見通しだ。

UBSグループの米ハイテク株資本市場ヘッドのジャスティン・スモルキン氏は、こうした企業は幅広い投資家からのIPO需要を探る「指標」だと指摘。「最も優良な案件であり、投資すれば利益が上がるとみなされる傾向がある」とした。

こうした企業は契約者がソフトの利用料金を支払う仕組みになっており、一般の消費者を主な顧客として利用回数や広告に依存している多くのネット関連企業に比べて売上高が安定的に確保できる。

ゴールドマン・サックスの米ハイテク株資本市場ヘッドのウィル・コノリー氏によると、これらの企業は時価総額が5億─40億ドル程度と高額ではないが、ハイテク企業のIPOの大半を占める。規模は小さいが成長力があり、技術革新の担い手だという。

ロイターがこれまでに2017年中にIPOを計画していると報じた米企業には、アバララ、ミュールソフト、フォアスカウト・テクノロジーズ、アップダイナミックス、Yextなどがある。

シリコンバレー・バンクのグレッグ・ベッカー最高経営責任者(CEO)は、ベンチャーキャピタルを後ろ盾とするハイテク企業のIPOは2017年には30─40社となり、16年の15社から増えると予想した。

新興ソフト企業のIPOが成功すれば、「アーリーステージ(起業直後)」に資金を出した投資家が利益を得られそうだ。

クレディ・スイスの株式資本市場グループのシンジケート部門グローバルヘッド、アンソニー・コントレオン氏は「こうした案件がうまく行って前向きの流れが生まれることはだれにとっても重要になる」と述べた。

一方、ハイテク企業のIPOが2017年に軌道に乗らなければ、一部のベンチャー・キャピタル・ファンドの運用会社は投資家の要求に応え続けるのが難しくなるかもしれない。IPOをエサに有能な人材を集めた新興ハイテク企業も苦境に立たされるだろう。

ただ、このところ株式市場が上昇して企業は控えめな公開価格を受け入れ始めており、IPOに動くハイテク企業が増える態勢は整っている。昨年は過去に行った私募方式の調達を下回る評価額での株式公開を嫌い、多くの企業がIPOを棚上げした。

(Liana B. Baker、Heather Somerville、Lauren Hirsch記者)

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