経営 × 採用

サントリービール・水谷徹社長が語る「ヒット商品を生むために欠かせない組織風土作り」

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]
【第8回】 2017年1月6日
previous page
2
nextpage

求める社員像は「悲観は気分、楽観は意志」、
組織風土作りは社内のレイアウトから

多田洋祐・ビズリーチ取締役 キャリアカンパニー長

多田 ビール市場は縮小傾向ですが、サントリーは販売量が増えています。今後の販売戦略はどう考えますか?

水谷 まずはビールが消費者から好まれ、その母数が増えない限りは一時のブームになってしまいます。だからこそ「愛されるブランドを作る」ことを重視します。

多田 ブランド作りのためには、どのような心がけが必要だと感じますか。

水谷 「なぜビールを飲むのか」の理由を考え、飲まれている姿を調査し、飲食店でビールが提供される際の品質にも徹底的にこだわることが何より重要です。つまり、全て「お客様に向いていること」に尽きます。それを実行するために、組織全体も「お客さまを向いている」ようにしなければいけません。

 また、戦略においては風土も大事ですが、社員たちの中にある「やる気」をマネジメントできていなければ、組織は健全に機能しません。

 私がサントリービールで最初に取り組んだことはビジョン作りでした。ダウントレンドの市場に挑むにはテクニカルな施策よりも、社員の気持ちがまとまっていることのほうがまずは必要です。

多田 ビジョン作りの他にも、具体的に取り組まれたことはあるでしょうか。

水谷 質問で返すようですが、多田さんはオフィスのレイアウトにこだわっていますか?

多田 座席の配置はとても気にしています。近くに誰が座るかも含めてどこに誰が座るかは重要だと思っています。

水谷 私もです。レイアウトは絶対に大事です。組織戦略といっても、こういう小さなところから風土が広がっていくのだと思いますね。

 「ここなら電話で話している声が聞こえる」ぐらいに細かく、誰に、どこへ座ってもらおうかまでを考えています。目で見れば、相手の機嫌の良し悪しも感じられ、たとえば相談する時間をずらしたりもできる。

 サントリービールはいわゆる役員室はありませんし、役員も社内を歩き回って「すこし顔色が悪いな」「調子が良さそうだ」とメンバーの様子を見ています。社員がお互いを見て助け合い、チームとして一体感を感じられるのかが大事。しんどい時には、いっそビールを手に乾杯してしまうくらいでちょうどいい(笑)。

 仕事にはしんどいこともつらいときもありますが、まずは悲観的にならないこと。それから「何をやりたい?」と聞かれたら、答えられる意志を持っていてほしいですね。私は「悲観は気分、楽観は意志」というフランスの哲学者、アランの言葉が大好きなんです。

previous page
2
nextpage

企業における「採用」を考える

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]

トップヘッドハンターとして活躍後、人事部長として株式会社ビズリーチ入社し、入社時に従業員30人だった組織を4年で500人に拡大させる。現在はキャリア事業のトップとして事業全体を統括し、「ダイレクト・リクルーティング」の日本での本格的な普及に努める。

 


経営新戦略3.0

これまで数々の企業と対話を重ねてきた採用コンサルのプロが企業に横たわる経営課題をトップに直撃、その解決策について議論する。

「経営新戦略3.0」

⇒バックナンバー一覧