はるやま商事社長 治山正史<br />二極化進む紳士服業界<br />脱スーツ、脱メンズで成長Photo by Kazutoshi Sumitomo

──紳士服業界の近況は。

 リーマンショックにより買い控えがあったが、今期に入ってからは売り上げに下げ止まり感がある。お客様は、徹底的に安さを求める人と、(高くても)よいものを求める人とに二極化している。

──どう対応しているか。

 低価格商品を用意すると同時に、今期はイタリアの高級服地メーカー、ドラゴ社などとの生地の共同開発を仕掛けた。直接取引をしているのでデパートより割安。大ヒットとなった。今、特に地方はデパートがなくなったり、メンズ売り場が縮小したりしてスーツを買う場所が減ってきている。これら高級商品は、既存のお客様に加え、今までデパートでしか買ったことのなかった人が様子見で来店し、買っていくことも多い。

──2014年3月期に売上高700億円、経常利益率7.1%を目標とする中期経営計画を出した。

 リーマンショックを機に不採算店舗を一気に閉鎖し、キャリー商品(不良在庫)や不採算事業の処理も行った。(今期は売上高523億円、経常利益率3.3%の予想だが)計画は達成可能と見る。