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インタビュー:欧州と新興国に政治・経済リスク、英の年内格下げも=ムーディーズ

2017年1月6日

[ロンドン 5日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズのソブリンリスク担当幹部、アラステア・ウィルソン氏はロイターとのインタビューで、中国などの新興国や英国について、年内に格下げを含む主要な格付け判断を行うとの見通しを示した。

米国でのトランプ新政権の発足に加え、英国の欧州連合(EU)離脱や欧州各国で今年行われる選挙をめぐる先行き不透明感、経済の立て直しが急がれる中国や南アフリカ、ブラジルなどについて、ムーディーズは難しい判断を迫られている。

ウィルソン氏は、政治リスクと債務水準の高まりに伴い、「格付け対象国の4分の1の格付け見通しが『ネガティブ』であり、これは(ユーロ危機が最も深刻だった)2012年以来の多さだ」と指摘。格下げ対象の地理的分布が当時よりもはるかに広範囲に及んでいる点が気がかりだと語った。

格付け見直し対象の「ウォッチリスト」に挙げられている国は、英国(ムーディーズの格付け:Aa1)、イタリア(Baa2)、中国(Aa3)、南ア(Baa2)、メキシコ(A3)、ブラジル(Ba2)など。

ムーディーズは英国の格付け見直しを6月2日、9月22日に予定している。ウィルソン氏は、それまでに英国は正式なEU離脱手続きを開始しているはずで、離脱交渉の「雰囲気」から英国を格下げするかどうかを判断するのに十分な材料が得られると説明。

 「EU離脱は英国にとって『クレジットネガティブ』であり、問題はどれほどネガティブかだ。われわれは交渉が本格的に動き出す今後数カ月あるいは1年で、ようやくそれを理解し始めることになる」と語った。

イタリアでは、政府による銀行救済の行方に加え、選挙法をめぐる憲法裁判所の判断や総選挙など政治の先行き不透明感が主要なリスクとされる。

ウィルソン氏は「(選挙に勝利した)政党が改革を断行できる、あるいは少なくとも改革から後戻りしないとわれわれが結論づけられる場合、それはクレジットポジティブとなり、そうでければクレジットネガティブとなる」と語った。

また、欧州でユーロ圏の崩壊リスクが再び高まっていることが確認されれば、それも格付けにとって大きなマイナス材料となる。

フランスの極右政党・国民戦線のルペン党首は4日、フランスはユーロ圏から離脱すべきとあらためて主張。イタリアで台頭するポピュリスト政党「五つ星運動」もユーロ離脱を唱えている。

ウィルソン氏は、昨年3月から格付け見通しを「ネガティブ」としている中国について、「今年1年をかけてこの見通しを検討することになる」と語った。

同氏は、中国政府は経済成長と金融・政治の安定を維持しようとする中で、経済構造の改革も図るという「トリレンマ」に直面していると指摘。中国の格付け見通しは、同国経済に改革が必要であるにもかかわらず、指導部の政策が改革よりも成長や安定維持に軸足を置いている可能性があるとの懸念を反映していると述べた。

ブラジルについては、原油価格がたとえ1バレル=70ドルまで上昇しても、改革を実行すべきとの見解は変わらないと発言。

南アについては「ここ数カ月、政情不安が騒がれていることは確かだが、格付けの観点からは必ずしも重大な材料ではない」と指摘した。

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