いつでも目につく所に貼っておくから忘れない

 私は、第一中央汽船の倒産で失った金額を以下のリスク管理の9ヶ条と一緒に紙に書いて、デスクの一番目立つところに張り出していました。

 こうして、反省をしながら投資を続けるうちに、勝てる投資家として自立していきました。

 とても大事なことですので、改めて以下に掲載いたします。

●勝てる投資家になるためのリスク管理の9ヶ条
(1)投資をするはじめの段階で、儲かることだけを考えず、損することも考える
(2)投資は勝ち負け両方があるゲームだと知っておく
(3)最初にいくらまでの損ならば許容できるか、答えを用意しておく
(4)一定の損失は、ビジネスでいう必要経費だと考えて、むしろ利用する
(5)失敗したら、次から同じ失敗をしないように改善する
(6)小さな暴落は1年に一度、暴落は3年に一度、大暴落は7年に一度のペースで必ず来る
(7)余裕資金をつねにプールしておく
(8)当たっても外れても、相場で勝てるようにすることが真のリスク管理
(9)親戚や同僚が株を教えてほしいと来たら、てっぺんだと思え(つまり、暴落が近い)

 私が失敗から得たこれらのリスク管理のポイントは、デスクトップPCの画面やオフィスの壁に張って、いつでも目につくようにしています。

 1億円以上の資産をつくって、なお、こうした努力を続けています。

 もちろん、自慢したいわけではありません。

 投資というビジネスをおこなっているわけですから、これぐらいの努力は、むしろ当たり前のこと。やらされ感や義務感はありません。

 実際、効果もあります。

 潜在意識に働きかけるため、自然とリスクを回避する行動ができるようになります。資産を失う可能性も、ぐっと減りますよ。

上岡正明(かみおか・まさあき)
株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役社長
1975年生まれ。放送作家を経て、27歳で戦略PR、ブランド構築、マーケティングのコンサルティング会社を設立し、独立。現在まで14年間、実業家として会社を経営する。これまでに、三井物産やSONYなど200社以上の企業ブランド構築、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントやPRなどを行う。
起業する一方で、同じ時期に元手200万円で株式投資をスタート。以後、リーマンショックと東日本大震災という2度の破算危機をなんとか持ちこたえ、株の保有資産1億円を達成する。現在も、会社経営の傍ら株式投資は継続中。独自に編み出した「うねりチャート底値買い分割投資術」で着実に利益を上げている。保有資産は、購入した不動産などを含めて1億5000万円をキープ。トータルでは1億円以上のプラスに。また、エンジェル投資家としての一面も持ち、スタートアップをはじめ、これまで500社以上の有望な会社に投資して株を保有する。
多摩大学大学院経営情報学研究科(MBAコース)在籍中。
学校法人バンタンJカレッジ客員講師、日本マーケティング学会会員、日本神経心理学会会員、日本社会心理学会会員、日本行動心理学会会員、一般社団法人日本行動分析学会会員

※本連載は、今回で終了します。