忘れないためには
時間をかけずに繰り返す

確実に勉強の成果を出す3つのコツ佐藤大和(さとう・やまと) レイ法律事務所代表弁護士(東京弁護士会所属)
1983年生まれ。宮城県石巻市出身。高校時代、模試では偏差値30のダントツビリで落ちこぼれ。大学生になってから勉強に目覚め、2009年の司法試験に1回目で合格(民事系科目は上位5%以内で合格)。11年、弁護士となり、大手法律事務所を経て、14年4月、レイ法律事務所を設立し、経営者弁護士として、2016年1月には国内の法律事務所でTOP5%以内の事務所規模に成長させる。TBS「あさチャン!」、フジテレビ「バイキング」のコメンテーターのほか、NHK Eテレ「Rの法則」などに出演。フジテレビ「リーガルハイ」、テレビ朝日「グッドパートナー 無敵の弁護士」、日本テレビ「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」など数多くの人気ドラマの法的監修も手掛ける。15年9月には『ずるい暗記術 偏差値30から司法試験に一発合格できた勉強法』(ダイヤモンド社)を出版し、ニューヨークタイムズ、スウェーデンの新聞社など海外からも取材も受けるマルチ弁護士として活躍中。

山口 試験勉強においては、「繰り返す」ことも大事だと思うんです。たとえば、フィギュアスケートの選手は、どのタイミングでジャンプするか、本番までに何度も反復練習を繰り返して体に染み込ませていますよね。試験も同じ。緊張のなかで実力を発揮するためにも、普段から反復練習することが必要なんです。

佐藤 山口先生の「7回読み」も、まさに繰り返しですよね。最初は通読するだけですか?

山口 一生懸命読むというより、バーッと読む感じです。佐藤先生も本のなかで「最初に目に飛び込んでくる見出しを拾って読む」とおっしゃっていましたよね。

佐藤 はい。まず目次を読んで、それから見出しや太字を拾っていきます。

山口 私は、漢字を拾うようにしているんです。漢字って、わりと重要な情報がくっついていることが多いので。

佐藤 なるほど、それは興味深いですね。1回目に読むときって、時間としてはどれくらいですか?

山口 本当にサッと読むだけなので、30分もかからないくらいですね。その時点では何も理解できていないです。よく「速読できるのは才能ですね」って言われるんですが、単純に飛ばし読みしているだけ。なんとなく“全体像”を見ているだけなんです。

佐藤 それ、すごく大事なことだと思いますよ。学校で教科書や参考書を一言一句すべて読むように教わってきているせいで、みんな「全部読まなくてはならない」と思い込み過ぎているんじゃないですかね。時間をかけてきっちり読むことが悪いわけではないけれど、たとえば1ヵ月経ったら、最初のほうで読んだことは忘れてしまっている。それだったら、時間をかけずに繰り返し読んだほうが絶対記憶に残るんです。

山口 ゆっくり1回読む時間があるなら、3回読んだほうがいい。佐藤先生の本にもありましたけど、いわゆる記憶の「忘却曲線」ですね。忘れる頃にまたインプットすることで、忘れなくなっていくんですよね。