健康の秘訣は、
無理をしないことに尽きる

 もう若くないから無理、などと口にする人は多いですが、能力は一人ひとり違うものです。同じ年齢なら誰もが同じように出来たり出来なかったりするわけではありません。

 かといって、いつまでも若い時のままの意識を引きずっているのも、間違いのもとです。そこは、現状のあるがままの自分を日々、自覚していたいものです。

 自分は歳だから、という意識の壁は不要ですが、若い者には負けない、などという逆の意味での意識の壁も問題です。その心意気は理解できますが、どんな元気な人にも、調子のいい日があれば、悪い日もあるでしょう。その調子の良し悪しをあるがままに感じていられることが大事なのです。
 人は、新幹線のようにいつも同じスピードで走れるわけではありません。なぜかはわからないけれど今日はどうにも調子が悪い、ということがあって当然です。

 大切なのは、いつでも五感を研ぎ澄まして、自分の体と対話できるかどうかです。それは肉体だけでなく、心もです。その時に聞こえてきた心身の声をしっかり聞いてください。
 私は週に3、4回ジョギングをしていますが、まず、走ろうと思えない時には走らないことにしています。
 走ろうと思って走りだしても、「あれ、今日は体が重たいな」と感じる時には、ちょっと注意して走ろう、と思いながら走ります。それくらいでいいのでしょう。目標タイムなんてものは間違っても設定しないことにしています。

 私は基本的に、スポーツのやりすぎは体に悪い、と思っています。
 個人的には、私はきつい筋肉トレーニングは推奨しません。
 もちろん、それが楽にできる人ならいいですが、人間は本来、トレーニングすれば必ず結果が出るほど、そんなに性能のいいものではありません。時にはかえって故障することもあるでしょう。
 だから、自分の体に、今日はスポーツをやってもいいかと聞くし、無理はしません。それが健康の秘訣だと思っています。

 必要以上に自分を若返らせる必要はありません。
 私自身は、年齢を重ねることをいいとも悪いとも思っていませんし、そんなことは考えずに日々過ごしています。