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街歩きがもっと面白くなる!東京23区の商店街―データでわかるパワーと魅力

中野区の商店街――コンビニが頭打ちの“若者の街”で始まった、商店街の「巻き返し大作戦」

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],東京23区研究所,フィルモア・アドバイザリー
【第14回】 2011年3月9日
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 「木賃ベルト地帯」という言葉は今や昔の感もあるが、民営借家の割合は今も23区中トップ、木造共同住宅の割合も2位と言うから、中野区は借家王国だ。新宿に近く便利な上に、物件も豊富。だから、20代の割合が23区で一番多いのもうなずける。

 同時に中野区は、地域社会の骨格が戦前に形成された、成熟した街でもある。若者の流動性と成熟した地域社会の持つ定着性、この相反する2つの状況のなかに、中野区の商店街の今日があり、明日がある。

食料品店が悪戦苦闘している理由は
若者が多い「木賃ベルト」の名残り?

 中野区内の商店街数は80余、1k㎡当たりの商店街数は5位と、商店街の集積密度は高い。しかし、販売力の方は見劣りがする。人口1人当たりの小売販売額は、中野区全体では12位と中位にあるものの、専門店は18位、食料品専門店に限ると最下位に落ち込んでしまう。

 食料品店について、もう少し詳しく見てみよう。肉屋は10位と健闘しているが、八百屋は17位、魚屋と惣菜屋は共に最下位である。

 では食品スーパーが元気かと言うと、そうでもない。食品スーパーの人口1人当たりの販売額は15位と、決して高くない。

 これらのデータは、若者の区という特徴を強く反映している。食事は外食が中心の若者は、そもそも食料品の買い物需要自体が小さい。ましてや、商店街での買い物となるとなおさらだろう。

 魚屋の1人当たりの販売額が最下位というのは、いかにも若者の区らしい。鮮魚とは、若者が最も買いそうにない商品である。惣菜屋の最下位は少し意味が異なり、こちらの需要はある。だが、それを一手に引き受けているのはコンビニに違いない。

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

フィルモア・アドバイザリー

2006年11月、海外機関投資家向けの独立系リサーチ会社として設立。現在は数値データのグラフ化・共有サイト「vizoo」、グラフ投稿サイト「Figit」の運営を行うほか、メディア向けにグラフを用いた特集記事等を配信。
フィルモア・アドバイザリー


街歩きがもっと面白くなる!東京23区の商店街―データでわかるパワーと魅力

世は空前の「街歩き」ブーム。老若男女を問わず街歩きの人気スポットとなっているのが、古きよき時代の風情が漂う商店街だ。世界一の都市圏である東京と、その中心となる23区。それぞれの区の「区民性」も異なれば、そこに根付く商店街にも、それぞれ別の「顔」がある。そんな商店街のなかには、廃れるどころか新しい時代のニーズを採り込み続け、絶えず進化し続けているものも少なくない。本特集では、その区に住む人、その区を訪れる人を惹きつけて止まない商店街にスポットを当てて、そのパワーと魅力について、区や商店街に関連したデータと共に紹介する。東京の街歩きを楽し見たい人は、必見!

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