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アングル:中国のテスラ包囲網、安価モデルがEVブームけん引

2017年1月13日

[北京 11日 ロイター] - 世界最大の電気自動車(EV)市場である中国では、政府助成を受けた国内メーカーの安価な車種が主流となっており、米テスラ・モーターズ<TSLA.O>や日産自動車<7201.T>を抑えている。

中国政府は省エネ車で世界をリードする政策の一環として、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が投資する比亜迪(BYD)<002594.SZ>や北京汽車工業(BAIC)<1958.HK>といったEVメーカーに巨額の助成金を出している。

昨年1─11月の電池式EVとプラグイン・ハイブリッド車の販売台数は前年同期比60%増の40万2000台となった。政府は2020年までに、走行するプラグイン車を500万台に増やしたい意向だ。

国内メーカーのEVはテスラ車のようなスピードや高級感、長距離走行といった特色を持たず、価格が決め手となっている。

上海では昨年、2ドアの電池式EV「Chery eQ」が6万元(8655ドル)前後で販売されたが、助成が無かったとすると価格は10万元程度高くなっていたはずだ。

これに対し、米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>が今週、米ミシガン州デトロイトで開幕した北米国際自動車ショーでお披露目した最新型EV「ボルトEV」の価格は、7500ドルの税控除後で3万ドル前後だ。

自動車ディーラー、EVバイのDawei Zhang最高経営責任者(CEO)によると、中国のEVはどれも似たり寄ったりのため価格が物を言い、ここ数カ月は安価でそここ性能の良いeQが最も売れている。

 「EVは移動の道具だ。見せびらかしたり、一家全員用の大型車や技術を求めて買うのではなく、純粋に移動手段なのだ」という。

また、6つの中国大都市はガソリン車のナンバープレート発給を厳格に管理しているが、プラグイン車専用のプレートは自由に出している。このため北京や上海では簡単にプレートを入手するためにプラグイン車を買う消費者もいる。

<助成は縮小へ>

中国政府のEV政策は、海外メーカーにとっては壁だ。海外メーカーは国内企業と合弁会社を設立し、中国向けに新設したブランド名の車種を製造しない限り、助成を受けられない。これでは海外メーカーのブランド力が発揮できない上、助成後でも価格は国内メーカーより高くなる。

日産は東風汽車<600006.SS>と合弁でEV「リーフ」の中国ブランド「ヴェヌーシア」を生産している。カルロス・ゴーン社長は昨年11月ロイターに対し、同車の販売が「思わしくない」と認め、中国の消費者はEVに奨励金考慮後で8000ドル以上を払いたがらないと説明した。

ただ、中国は2020年までに助成金を段階的に廃止する計画で、海外メーカーの競争環境は変わってきそうだ。

EVバイによると、今年は助成金が20%減らされ、「Chery eQ」の価格は1万5000元程度上がる可能性がある。ただ、個々の車種についての今年の正式な助成金はまだ明らかになっていない。

(Jake Spring記者)

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