なにより注目したいのは、すでに多種多様な企業が集まるエリアに位置する点だ。研究開発型企業が集積する都田テクノポリスに隣接し、技術先端企業との連携環境も充実している。造成が進むニュータウンも至近だ。

都田地区工場用地
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 鈴木市長も「最後の大規模工場好適地」と称する都田地区工場用地に対しては、用地取得に対して最大約17億円の補助金を用意。これにより実質的な価格設定は坪7万円台となる。さらに、建物・設備投資に対して最大25億円、固定資産税等の地方税に対して最大10億円の補助金も利用できる。

 「都田に進出いただける企業はオール浜松体制でバックアップさせていただきます。共に次世代の扉を開きましょう」と鈴木市長。他の地では得られないリソース豊富な浜松・都田が、次代の最先端研究・開発、製造の拠点になる日は近そうだ。

本社を移転して浜松ブランドを
獲得したローランド

ローランド 田中英一 代表取締役社長

ローランドは、1972年に大阪で創業し、翌年、浜松に工場を建てました。当市に集積された楽器製造技術に魅力があったからです。楽器は、いわば感性の製品です。たとえば微妙なタッチの違いから生み出される音の変化といったものが重視されるわけで、楽器づくりには開発と製造の一体化が不可欠と私たちは考えています。そこで、86年に製造開発の拠点を浜松に集中。多くの従業員が家族とともに移住しました。浜松の土地柄は外来者にとてもフレンドリーで、住み心地もよく、なじむのも早かったようです。
2005年には本社も浜松市に移しました。浜松といえば、楽器の世界では国際ブランド。当社も晴れてそのブランドを担う一員になりました。関係企業のみならず、異業種交流も盛んなこの地で、新ビジネスの萌芽(ほうが)も感じています。(談)