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アングル:ソブリン債に強まる格下げ圧力、皮切りはイタリアか

2017年1月13日

[ロンドン 12日 ロイター] - 世界全体で今、かつてないほど多くのソブリン債が格下げリスクにさらされている。経済は徐々に上向いているものの、各地で高まる政治的な不透明感や、2年余り続いたコモディティ安が影を落とす。

主要格付け会社がカバーする120─130カ国のうち、およそ25%に現在格下げリスクが存在する。

S&Pの格付け見通しは「ネガティブ」と「ポジティブ」の件数が30対7、比率で言えばほぼ4対1だ。フィッチではこの比率が6対1になる。トリプルA格付けのソブリン債は減少の一途で、S&Pの格付けのうち「BBBマイナス」以上の投資適格級が占める割合は、過去最低の52%に低下している。

こうした中でカナダのDBRSが13日、イタリアの格付け見直しを行う。

DBRSの格付けは、欧州中央銀行(ECB)が資金供給オペで銀行から差し入れられる担保国債の評価基準に採用されている。格下げとなればECBの評価引き下げを通じて、イタリアの銀行の資金調達コスト増大につながりかねないだけに、今年最も注目される事案の1つになりそうだ。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)キャピタルIQのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を使った推計モデルによると、イタリア国債に対する市場の実際の評価はDBRSの「A(低=Low)」より4段階も低く、通常であれば格下げされることを示唆している。

ただ、DBRSの首席アナリスト、ファーガス・マコーミック氏は、銀行大手モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)<BMPS.MI>の支援計画からは安心感を得たと発言。目下の鍵を握る問題は、モンテ・パスキの資本増強がイタリアの銀行システムに対する投資家の信頼回復につながるかどうかにあるとした上で、月内に決まる選挙法見直し案の内容が政局見通しにとって重大な要素になると予想した。

13日にはムーディーズによるポルトガルの格付け見直しも予定されている。また27日はムーディーズが、欧州連合(EU)離脱派が勝利した国民投票結果を受けて「ネガティブ」とした英国債の格付け見通しについて、判断を下す。

今年、投資適格級から転落する恐れが大きいとみられているのは、政治対立が続き経済が低迷している南アフリカだ。

S&Pは1年以上、格付けを投資適格最下位の「BBBマイナス」、見通しをネガティブとしている。ただ、正式な見直しは6月2日以降になる。S&Pより格付けが1段階高いムーディーズは、4月7日に見直す予定。S&Pと同じ格付けのフィッチは、その中間に見直しを行うだろう。

これら3社はいずれも、南アフリカが景気後退に突入するかどうか、中央銀行や財務相が政治圧力によって独立性を損なう事態になるかどうかを注視している。

一方、S&PキャピタルIQのモデルからは、一気に2─3段階の格下げがあると予想される。

欧州はイタリアを別にすれば、総じて格付け見通しは改善している。それでも英国のEU離脱(ブレグジット)問題は言うに及ばず、オランダ、フランス、ドイツと相次いで国政選挙が実施される状況を踏まえると、見通しが急速に悪化してもおかしくない。

(Marc Jones記者)

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