1月11日、トランプ次期米大統領は国立公園など連邦政府所有地でのエネルギー開発を解禁する意向を示しており、正式に大統領に就任すれば開発権のリースが急増するとみられる。写真は2016年12月、米ユタ州のコーム・リッジからの眺め(2016年 ロイター/Annie Knox)

[11日 ロイター] - トランプ次期米大統領は国立公園など連邦政府所有地でのエネルギー開発を解禁する意向を示しており、正式に大統領に就任すれば開発権のリースが急増するとみられる。ただ、環境保護団体などの抵抗は根強く、米国に残された手付かずの自然の扱いを巡って激しい議論が巻き起こりそうだ。

 連邦政府が所有する土地は国立公園、野生動物保護区、先住民居留地などを含めて約5億エーカーに上り、北極圏からメキシコ湾まで広い範囲に及ぶ。ここには数十億バレルの原油のほか、天然ガス、石炭、ウラニウムなどの資源が大量に眠っている。

 トランプ氏は大統領選で、連邦政府所有地の利用制限を解禁して開発を拡大することを公約に掲げた。環境保護寄りの政策を採ったオバマ大統領に対しては「リースの制限や石炭の新規掘削の禁止により、われわれの足元に埋っているエネルギー資源の利用を否定した」と批判した。

 トランプ氏は先月、連邦政府所有地での石炭掘削を支持しているライアン・ジンキ下院議員(モンタナ州)を内務長官に指名。オバマ大統領が地球温暖化対策の一環として2016年に導入した石炭の開発停止措置についても、就任から100日以内に解除すると言明している。

 またトランプ氏が指名した先住民政策検討チームは先住民居留地でのエネルギー開発規制の緩和を検討しており、議論の的となっている居留地の私有化も視野に入れている。

 エネルギーの関連会社やロビイストは、トランプ氏の大統領就任で連邦政府所有地では開発権のリースが一気に増加し、開発が沈滞したオバマ政権下での状況が様変わりすると見込んでいる。

 連邦政府のデータによると、国内の原油生産に占める連邦政府所有地の生産の比率は2015年には約5分の1と、2010年の3分の1強から低下した。

 ロビー団体であるアメリカン・ペトロリアム・インスティテュートのプレジデントであるジャック・ジェラルド氏は連邦政府所有地での開発増加の見通しについて「めったにないチャンスだ。一生に一度かもしれない」と話した。

 しかし訴訟や環境保護団体などによるロビー活動により、連邦政府所有地の利用は順調には進まないかもしれない。

 オバマ大統領は退任間際にユタ州とネバダ州の約160万エーカーの地域を国定記念物に指定しており、これをひっくり返すのは難しいと法律専門家はみている。

 またオバマ大統領は1950年代の法律を活用して連邦政府所有地での水源の新たな掘削も禁止しており、環境保護団体はこの措置の撤回には裁判が必要だと主張している。

(Annie Knox、Kim Palmer記者)