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アングル:任天堂「スイッチ」によぎる不安、発売後2週間が鍵

2017年1月13日

[東京 13日 ロイター] - 任天堂<7974.T>は新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を発表した。4年前に投入した据え置き型ゲーム機「Wii U」が事実上失敗しただけに、新型機にかける同社の期待は大きい。ただ、発売時期は最大の商戦期となる年末ではなく3月だ。

価格設定、タイトル数、モバイルとの連携のいずれも市場の高い評価を得たとは言い難く、不安もよぎる。

<80タイトル開発中>

 「新しい娯楽の世界を提供したい」──。君島達己社長は13日の発表会で胸を張った。

スイッチ本体には液晶画面がついており、据え置き型ゲーム機としても、ドックから取り外して携帯ゲーム機としても遊べるのが特徴。2つのコントローラーは本体から着脱可能で、複数人で遊ぶこともできる。

発売と同時に人気ゲーム「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド」など8タイトルを投入。夏に「スプラトゥーン2」を、冬に「スーパーマリオ オデッセイ」を発売する。現在、ソフトメーカー各社が80タイトル以上を開発中という。

2012年12月に投入した「Wii U」はソフトの投入が遅々として進まず、これがユーザー離れの原因となった。大ヒットとなった「Wii」は全世界で1億台以上を販売したのに対して、「Wii U」は9月末現在で1336万台にとどまっている。同社の据え置き型ゲーム機で過去に最も売れなかったゲーム機として、同社の低落懸念をかき立てる結果になった。

任天堂が今回、満を持して発売するスイッチが前者の轍(てつ)を踏まない確証はない。ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄シニアファンドマネージャーはスイッチのソフト数について「スタート段階ではちょっと少ない」と懸念を示した。

価格は2万9980円。競合するソニー<6758.T>の「プレイステーション4」の安いモデルと同じ水準だ。だが、発表後に株価は軟化し、前日比1450円安(5.75%安)の2万3750円で取引を終えた。

ドルトンの松本氏は「価格が2万5000円程度なら好感されただろうが、値付けのところは高めということになるのだろう」との見方を示した。同社の据え置き型ゲーム機は1990年に発売した「スーパーファミコン」以降、2万5000円でそろっていた。

<従来ファン層以外の獲得が鍵>

スイッチが成功するためには、従来のファン層以外の開拓も欠かせない。「Wii」が大ヒットしたのは、棒状のコントローラーを振ってゲームをするという革新性に加え、「Wiiフィット」や「Wiiスポーツ」などで従来とは違ったユーザー層を取り込むことに成功したためだ。

同社が直接手掛けたゲームではないが、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」も、位置情報や拡張現実(AR)技術などを用いて、従来とは違ったユーザーの掘り起こしに成功した。

きょうの発表会ではリアルな触感や動きを読み取ることができるコントローラーを使った新たな遊び方も紹介されたが、株価の反応は冷ややかだった。

ゲームジャーナリストの小野憲史氏は「オンラインとの連動展開がまだ不明。ポケモンGOやスーパーマリオランとの連携は誰もが期待するところだが、今回発表はなかった。このため、総合的な評価は現時点ではまだ難しい」と話した。

<最初の2週間が勝負との指摘>

 「Wii」は発売から2年目に1861万台、3年目の2009年3月期に2595万台の販売を記録した。スイッチも2年目に1800万台を超せるかどうかが、ヒットの成否を判断する目安となりそうだ。今期は3月3日の発売から約1カ月で200万台の販売を計画している。

 「プレイステーション4」は2013年11月の発売から今年1月1日時点で累計販売が5340万台を突破。この年末・年始商戦で620台以上を販売した。

年末商戦を逃した影響はあるのか。エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「ゲーム機の販売は、最初の2週間でどれくらい売れるかで決まってくる」と話す。

(志田義寧 取材協力:伊賀大記 山﨑牧子 長田善行)

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