ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
カイゼン!思考力

それって本当にお得?――虚偽の相対順位

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]
【第39回】 2011年3月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

陥りがちな思考の罠に迫る「カイゼン!思考力」。今回は、虚偽の相対順位を取り上げる。

――問題です

 以下のAさんの考え方の問題点は何か。

 あるシステム導入の商談において。

 A「ということは、御社には現在、本件に関しては4つのソリューションがあるというわけですね」

 B「そうです」

 A「1番目のノーカスタマイズ版が400万円、2番目の標準カスタマイズ版が600万円、3番目のスーパーカスタマイズ版が800万円、4番目のゴールドカスタマイズ版が1000万円か。ちなみに、いま一番ニーズが多いのはどのバージョンですか?」

 B「そうですね、現在、ユーザー数が一番多いのは600万円の標準カスタマイズ版です。それでほとんどのお客様の基本的なニーズにはだいたい応えられますので」

 A「スーパーとかゴールドとの違いはどんなところですか?」

 B「スーパー版では、カスタマイズの細かな要望にもお応えします。ゴールド版は、常駐者を派遣したり、どのような突発的なトラブルであっても最優先で対応するなどの特典が付加されます」

 A「(まあ、カスタマイズ版であれば、基本的な要求には応えてもらえるということか。予算の都合もあるし、あまりハイスペックにする必要もないから、やはり標準カスタマイズ版かな。4つの選択肢のうち、下から2番目の価格ということであれば社内稟議も通しやすいだろう)」

 B「いかがなさいますか?」

 A「そうですね。今回は標準カスタマイズ版でお願いしますよ。その線で社内を説得してみます」

 商談後。Bさんはこう考えていた

 B「400万円のノーカスタマイズ版でもだいたい必要なニーズは満たせるのに、それより200万円高いバージョン買ってくれるお客さんが多いから助かるわ」

次のページ>> 解答はこちら
1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社、主に出版、カリキュラム設計、コンテンツ開発、ライセンシングなどを担当する。現在は出版、情報発信を担当。累計120万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」や、「グロービスの実感するMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
グロービス経営大学院や企業研修においてビジネスプラン、事業創造、管理会計、定量分析、経営戦略、マーケティングなどの講師も務める。また、オンライン経営情報誌 GLOBIS.JPなどで、さまざまな情報発信活動を行っている。


カイゼン!思考力

ビジネスパーソンが日常生活やビジネスの現場で陥りがちな思考の罠。そんな罠になぜ人ははまってしまうのか――。その謎と罠に陥らない方法に迫ります。

「カイゼン!思考力」

⇒バックナンバー一覧