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アングル:JPモルガン、多店舗維持戦略が報われる局面に

2017年1月18日

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェース<JPM.N>に対して銀行アナリストは過去5年にわたり、オンラインバンキング普及が進む中でそんなに多くの支店を構えているのは非効率で経費圧縮のため店舗を減らすべきだと注文をつけている。

一方で同行の経営陣が、支店網こそがリテールブランド「チェース」の看板であり、口座開設や対面取引を希望する消費者を呼び込む不可欠な手段だと主張する論争が続いてきた。

そして今、経営陣の方が正しかったように見える情勢になった。あるいは少なくとも、顧客サービスにおいて実店舗とオンラインの適切な組み合わせに他行よりも近づいている。

バーンスタイン・リサーチのアナリストチームによると、JPモルガンの過去5年間の預金量の伸び率は他の大手行をしのぎ、業界平均の2倍に達する。

チェース部門は2016年に預金が11%増加し、現在は6070億ドル。これだけの規模を維持し、今後予想される金利上昇局面で融資に振り向ければ、大きな見返りが得られる。

マリアンヌ・レイク最高財務責任者(CFO)は「預金は非常に力強く増加しており、われわれはその恩恵を受けそうだ」と期待を示した。

銀行の預金獲得能力が収益動向にとって重要な意味を持つ局面になるのはこの10年前後では初めて。背景には、金利上昇とトランプ次期政権の政策を受けた米経済のさらなる改善見通しがある。

借り入れ需要が弱く、金利が低かった時期に預金を増やす取り組みを怠っていた銀行は、これから後れを取り戻すのに苦労する、と専門家はみている。

以前はJPモルガンの多店舗戦略を疑問視していたCLSAのアナリスト、マイク・メイヨ氏は「JPモルガンは逆境期にも投資してきた。今はそれに対するより大きな報酬を得ようとしている」と評価した。

JPモルガンは顧客が必ずとどまってくれるという保証がない以上、安易に預金の金利を引き上げることには慎重だが、各種のプロモーションを駆使して顧客獲得に努めている。

例えばチェースは最近、貯蓄口座に3カ月間最低1万5000ドルを置くといった一定の条件を満たした場合、新規口座開設に際して現金500ドルを支払うキャンペーンを展開した。

レイクCFOによると、こうしたやり方なら預金部門の利益率を下げなくて済むという。

JPモルガンの預金増加は、金融危機がもたらした「怪我の功名」の側面もある。2007年以前は、チェースも他の多くの銀行と同じようにサービスの悪さから毎年相当な顧客を失った。それを当座貸越などに関する手数料収入で補っていたものの、金融危機後の規制改革でこうした手数料が厳しく制限されたため、顧客をつなぎ止める上でサービス向上に力を注がざるを得なくなったのだ。

また同行は金融危機の際中にワシントン・ミューチュアルを傘下に収め、チェースが支店網の穴を埋めるため新規出店しようとしていたカリフォルニア州とフロリダ州の店舗を手に入れることができた。預金が増えたのはこうした動きの副産物だった。

このほか金融規制強化で銀行にとって資本市場からの短期調達より預金が望ましいとされたことや、チェースが大衆富裕層向けの投資運用事業拡大を目指した結果も、預金増に結び付いた。

それでもやはり預金獲得に最も大きく貢献したのは、チェースの規模だろう。CLSAのメイヨ氏は「チェースがその力を誇示しているということだ」と述べた。

(David Henry記者)

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