「仕事はきっちりこなせるのに、ネガティブな発言が多いんだよな…」

 あなたの周りにも将来に対する不安をやたら口にする、ネガティブな部下や後輩はいないでしょうか。もしいたとしたら、どのように対処しますか。「ネガティブな発言は慎むように」と注意しますか、それとも黙認しますか。

 育ってきた環境で将来に対する考え方が違ってくるのは、致し方ないことです。ただ、ネガティブな発言で職場が暗くなったり、雰囲気が悪くなるのはあまり良いことではありません。

 今回は、若手社員の間で急増するネガティブ発言の実態とその対処法について考えていきましょう。

「将来のため」に貯金する20代男性77.9%!
真面目だけど将来にネガティブな若手社員たち

「最近の若手社員は、真面目で仕事をきっちりやってくれる」

 こう話してくれたのは、都内に本社を構える中堅人材派遣会社の人事部長。最近の若手社員は学ぶ意欲が高く、わからないことは積極的に勉強して対処する姿勢を持っており、先輩社員も見習うべきだと高く評価しています。

 そのなかでも特に、Kさん(26歳)の勤勉さは、先輩社員の間でも評判です。任された仕事は何があってもやり切る責任感があり、さらに後輩社員に対する指導も的確。人望も厚く、近いうちにリーダーとして部下育成に当たらせたい、と周囲の期待は高まるばかりです。

「ただ、気になることがあるのだよね」

 そう指摘するのは、Kさんの上司であるBさん(42歳)。Bさんが気にしているのは、Kさんがことあるごとに不景気な話ばかりする点です。

 貯金残高がいくらだ、今年のボーナスの減額が大きい、将来は親の介護が心配だ、などといった話題をたびたび口にします。「年金はもらえないものと考えて貯金をしないといけない」というのがKさんの口癖です。ただ、こうした将来に対する不安を口にするのは、将来へ明るい見通しを持てない20代の特徴とも言えます。