「不安→資料増加→意思決定の遅れ」のスパイラル

上司「ねえ、月次の資料まだ?」
部下「はい、まだ……」
上司「先月の今頃には、もうできてたじゃない」
部下「でも今月は、先月おっしゃっていた追加資料も作っているものですから」
上司「大丈夫?会議までに間に合わないよ」
部下「はい。明日までにはなんとか」

そして翌日。
部下「できました」
上司「ありがとう。 あれ?この数字おかしくない?」
部下「あっ」
上司「ちゃんとチェックした?」
部下「……いえ、追加資料の作成に時間がかかってしまい、全体のチェックをする時間がなかったものですから」

 こうして資料の訂正が入ることで、上司は表面上の数字しかわからないまま、会議に臨むことになります。当然、数字を見た上での深い分析や意見は持ち合わせないままです。経営者から質問が出てもその上司は即答できず、経営者は別の追加資料を次月までに求め、会議後、上司は部下に追加資料の依頼をします。

人は不安になると、「見えるもの」にすがりつく

 この繰り返しで、会議資料は増え続け、資料作成に時間を取られ、挙句に「会議の日程を資料に合わせて今までよりも遅らせる」ということも実際にあるのです。これでは本末転倒です。会議は1日でも早く開催できれば、それに越したことはありません。

数字について不安になると、何か目に見えるものにすがりたくなる心理が働きます。それが資料の作成依頼につながるのです。

 実務作業者は資料を作るだけで精一杯になってしまいます。そして資料作成にかける時間がさらに増え、会議の日程が後ろにズレていきます。それが経営判断の遅れにつながってしまうのです。