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インタビュー:最近の株高、トランプラリーではない=ロベコ

2017年1月19日

[東京 19日 ロイター] - オランダ資産運用大手ロベコの投資ソリューション部門のルーカス・ダールダー最高投資責任者(CIO)は、ロイターとのインタビューで、「トランプラリー」と呼ばれる世界的な株高・金利高・ドル高が足元で進んだことについて、必ずしも次期米大統領の政策への期待感が原動力ではないとの見方を示した。

ロベコは、ロッテルダムに本拠を置く資産運用会社で、日本のオリックス<8591.T>が2013年にオランダの銀行大手ラボバンク[RABOVR.UL]から買収した。グループの9月末時点の運用資産残高は2761億ユーロ(約33兆円)。

インタビューは同氏が来日した17日に東京で行った。概要は以下の通り。

──週末にはトランプ次期米大統領の就任式が控えるが、現在の投資スタンスは。

 「大統領選でトランプ氏が勝利した後、確かに株価は上がった。しかし株高の理由がトランプ氏かどうかを含め、不確実な点が多いと考えている。基本的にはトランプ氏の政策の詳細が見えないとの理由から、目下のところは様子見姿勢をとっている」

 「例として為替を挙げれば、われわれは通常、かなり大胆にポジションを傾ける。今より少し前にはユーロ買い/英ポンド売りだったり、ユーロ売り/ドル買いだったりした。だが現在は、ドル買い/円売りのポジションが残る程度で、おおむね手を引いた状態だ。ほとんどのアセットについて、極めてニュートラル(中立的)だと言える」

 「債券利回りは上昇、ドルは上昇という方向で基本シナリオを描いているが、いったんポジションを閉じて、方向性をあらためて確信できるタイミングを待つことにした」

 「無論、ずっと様子見するつもりはない。ただし、20日の就任式あたりからトランプ氏と主要閣僚から示される次期政権の政策の方向性や詳細については見極めたいと考えている。1カ月以内には新たなポジションの構築に動き始める予定だ」

──トランプ相場について。

 「多くの人々が『トランプラリー』という言葉を使っている。確かに(最近の米株高、金利高、ドル高は)トランプラリーとも言えるかもしれない。しかし各種マクロ指標を見れば、9月を過ぎたころから既に上向いていたことに気付くだろう」

 「シティ<C.N>のサプライズ指数を見れば、米国、ユーロ圏、新興国、日本のすべてがプラス圏にある。これはなかなか珍しい現象だ」

 「仮に米大統領選で(ヒラリー・)クリントン氏が勝利したとしても株価は上がったと思う。そうなれば、われわれは今ここで『クリントンラリー』の話をしていただろう。もちろん、実体経済のファンダメンタルズの回復が真の背景であることを考えれば、そのネーミングも正しいとは言えないが」

 「米国株がポジティブに反応しているのは分かる。トランプ氏が掲げる法人税減税は確かに企業や株式市場にプラスだろう。だが注目してほしいのは、欧州企業には同氏の減税政策の恩恵などないはずなのに、同じ時期から欧州株も10%ほど値を上げていることだ」

 「だからこそ、私は(世界的な)株高は(トランプ氏の政策への期待よりも)経済のモメンタムや成長見通しの改善が主な要因だと考えている。同時に、私は株式市場での『トランプラリー』は行き過ぎだとみている」

 「さらに、トランプ氏が過去に言及した各種政策を一つ一つ見てみると、同氏が掲げる政策全てが金融市場にポジティブなわけではない。法人減税は株価にとってプラスだが、貿易戦争はマイナスだ」

 「ここまでのところ債券市場がネガティブな反応(価格下落、金利上昇)を示したことは分かるが、株式相場がこうもポジティブに反応し、マイナス面を無視したことはやや理解に苦しむ。これ以降はその反動から、ネガティブ・サプライズが続く恐れもあると思う」

 「例えば法人減税について、トランプ氏は35%から15%への税率引き下げを主張している。これが株式市場にとって朗報だということは否定しない。だが、本当に実現できるか、財源はどうするのか、といった問題がある。決して、できないと言っているわけではないが、議会の支持が得られるのかという疑問も残る。つまり、詳細はまだ分からないということだ。これはインフラ投資についても同じことだ」

──オランダ、フランス、ドイツなど、欧州にとって2017年は「選挙イヤー」だ。

 「確かにフランス選挙など、油断がならないのは確かだ。それでもなお、私はトランプ次期米政権が今年最大のリスクだと考えている」

──日本株について。

 「われわれは昨年秋、米大統領選前には円をショートし、同時に日本株のアロケーションをオーバーウエートに引き上げた。理由は、われわれの描くドル高シナリオだ。だから輸出関連株に特に注目している。結果的に、それらは良い判断だった」

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)

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