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“月額会員制のラーメン屋”も登場する?
「サブスクリプションモデル」の衝撃

大河原克行
【第139回】 2017年1月24日
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セメント会社やラーメン店でも
月額課金のモデルに転向できる

――サブスクリプションモデルは、クラウド化が進展したソフトウェアにおいて、所有から利用へと環境が変化する上で有効な手法でした。ところで、すでに全世界で800社以上への導入実績を持つZuoraの動きを見ていると、あらゆる業種への導入が進み、企業の規模を問わずに使われている感がありますね。

ツォ 私は、サブスクリプションモデルは、すべての業種や業態で利用されると考えています。それは、どんな業種においても、継続的な価値が提供され、どこにいてもリアルタイムに、パーソナライズ化されたサービスを提供することが求められているからです。

 その背景には、人々のモノの買い方が変わり、「所有」から「アウトカム(成果)」を求める人たちが増えたことが見逃せません。私たちは、最後までサブスクリプションモデルに移行しない業態や業種はなにかと考えたことがありました。その際には、大規模なものを取り扱っている業種を想定することが多かったですね。

 ただ、いろいろと考えた結果、すべての業種でサブスクリプションモデルが導入できると考えました。たとえば、セメントを取り扱う事業者の場合はどうでしょうか。セメントをサブスクリプションで販売するというのは、一般的には想定できませんが、これをモノ起点ではなく、どんな成果(アウトカム)を求めているかということから考えると話は違ってきます。

 セメントを使う人は、なにを求めているかというと、ビルなどの建物を建設するためにセメントが必要なわけです。その観点から考えれば、ビルが完成するまでの販売モデルを、サブスクリプションとして提供することができます。床のタイルを販売している会社も、売ろうとしているのは成果であり、その観点からすれば、センサーを通じて歩いた人の数を集計し、それに応じて、タイルの費用を課金するということも可能になります。

 どんなビジネスでも、どんな企業でも、顧客がいるわけで、その顧客にどんな成果を提供するかという観点でみれば、サブスクリプションモデルを提供することができます。さらに、医者や弁護士でも、案件ごとに依頼を受けて対応するのではなく、メンバーシップでのサブスクリプションモデルで対応することができますし、ラーメン店では、メンバー化をして、そこにサブスクリプションモデルを組み合わせれば、安定収益を得られ、今後の事業計画も容易に立てられるようになります。

 Zuoraには、「The World Subscribed」と呼ぶビジョンがあり、そのなかで、これまでには、サブスクリプションモデルを採用していなかった企業に対して、加速度的にサブスクリプションモデルの採用が広がっていくことを示しています。

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1965年東京都出身。 IT業界専門紙「BCN(ビジネス・コンピュータ・ニュース)」で編集長を経て、現在フリー。IT業界全般に幅広い取材、執筆活動を展開中。


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