「子育てスタイル」の違いで子供はこう変わる

 親の子育てのスタイルには、以下の4つがあります。

■独裁・支配型の親
 厳しくて、温かみがない。
 厳格なルールを持ち、説明なしに命令に従うことを子どもに期待する。
子どもは概して行儀がよいが、「自制心」という極めて重要なスキルの発達が遅れる
 また、善悪の判断基準が、内在する規範ではなく処罰の脅威という外部からの制圧によるため、道徳の判断力が劣る。

〈「独裁・支配型の親」の声のかけ方〉
「こら!列に割り込まないで!どきなさい、あの子を先に通して」
「さあ、帰るわよ」。それでも遊んでいたら、抱っこして立ち去る。
「止まって、脱げた靴を履きなさい」
「そこまでにしなさい。いますぐ謝りなさい。今度やったら、後悔するよ」
「座りなさい」
「まだお腹が空いてるの?残念だけど、おやつは食べたでしょ。1つだけというルールよ」

■民主型の親
 厳しくて温かい。関わりを持ち、反応が良く、高い期待をする。意識的に独立心と自己主張を育む。ルールをつくるときは子どもを話し合いの輪に入れ、ルールを破ったらどうなるかを明示する。罰するのではなく教えることでしつけをする

〈「民主型の親」の声のかけ方〉
「○○ちゃん、順番を待とうね」
「あと5分で帰るわよ」「あと1回すべり台をすべったら、コートを着なさい」。それでも遊んでいたら、抱っこして立ち去る。
「えらいわ、よく考えたわね!靴が脱げたのに、工夫してお山に登れたね」
「怒ったときに、人を叩かないのよ。他にどうすればよかったかな?叩くなら、もうここにはいられないよ」
「ベビーカーでは座っていてね。○○ちゃんが落っこちてケガをしたら、ママは悲しいわ」
「まだお腹が空いているのね?ぶどうか、チーズを1つ食べてもいいわよ」

■消極・受け身型の親
 温かいが厳しくない。
 子煩悩で親子の会話が多いが、甘やかす。対立を避けたがり、規律を嫌がるので、親のルールを施行しない。
子どもは自己評価が高いが衝動的で、ドラッグやアルコール依存症になりやすく、学校でトラブルに巻き込まれやすい

〈「消極・受け身型の親」の声のかけ方〉
 子どもの割り込みを見ているだけ。相手の親に、薄笑いをうかべて謝る。
「さあ、帰る時間よ、いいわね?」。それでまだ遊んでいても、親は座ったまま。
「脱げた靴、履きなおしたほうがいいんじゃない?」
「今度叩いたら、もう帰るわよ。ママはいまなんて言った?もうやらないで。帰りたいの?叩かないで、ってお願いしたよね。やめなさい。帰りたいの?今度叩いたら帰るわよ」
「座ってちょうだい。座ったほうがいいわよ。まあ、少しだけなら立ってもいいかな」
「まだお腹が空いているのね?わかったわ、なんでも好きなものを食べなさい」

■無関心な親
 厳しくも温かくもない。
 子どもに最低限のものは与えるが、それ以外は関わらない。こういった親に育てられた子どもは非行に走りやすい