[ダボス(スイス) 20日 ロイター] - 開かれた市場と世界貿易が近年、雇用喪失の原因として批判されてきたが、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席した企業幹部らからは、ロボットの台頭が本当の原因になりつつあるとの指摘が相次いだ。

技術の進歩により生産性は向上しているものの、雇用への悪影響を食い止める対応が必要だと企業幹部らは警告している。

ロボット工学や自動運転車、人工知能(AI)などの台頭によりさまざまな雇用がリスクにさらされている。

世界経済フォーラム(WEF)の年次報告書によると、エコノミストは製造業における雇用喪失の86%が生産性に関連するものだとみている。

コンサルタント会社EYのマーク・ワインバーガー会長は19日、「テクノロジーの問題は大きいが、われわれはそれを認識できていない」と指摘。むしろ貿易相手国への批判に陥りがちだと述べた。

米保険ブローカーのマーシュでグローバルリスクの責任者を務めるジョン・デジック氏は、過去10年間の雇用喪失はテクノロジーによるものが最も多いと指摘。今後さらに増えると予想した。

ダボス会議に出席した経営者らは、技術の進歩により政府や産業、学術機関はより教育水準や技術力の高い労働力を生み出すことが必要になっているとみる。ただ、高いスキルを持つ労働者を企業が選好することで賃金格差は拡大し、不平等が深まる。

人材派遣・就職支援サービス会社マンパワー・グループのジョナス・プライシングCEOによると、米国では大卒の失業率が約2―2.5%であるのに対し、スキルの低い人々では9―10%に上るという。

フォレスター・リサーチは、2019年までに仕事全体の4分の1がロボットプログラムや産業ロボットなどに取って代わられると予想した。

会社役員ですら無縁ではない。

「CEOは、人工知能(AI)に仕事を奪われることはないとかなり確信しているようだが、そうなる日は来る」。英ロイズ保険組合のインガ・ビールCEOはこう話した。