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「底辺への競争」やドル高がリスク、ダボス会議参加者らが懸念

2017年1月21日

[ダボス(スイス) 20日 ロイター] - スイス・ダボスで開かれてきた世界経済フォーラム(WEF)の最終日となった20日、世界の金融業界のリーダーたちは、ドル高や税制面での「底辺への競争」、規制緩和、通商政策が明るい世界経済の先行きに対するリスクになるとの認識を示した。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、2017年の世界経済の見通しを脱線させかねないような予想外の事態,いわゆる「ブラックスワン」があるかと問われ 、トランプ米新大統領の政策公約から派生するリスクに言及した。

ラガルド氏は「もし、16年に生じたことによって17年に想定される混乱が全て良くないことで、われわれが税制面でも通商や金融規制の面でも(労働環境や社会福祉などの水準を切り下げるような)底辺への競争に陥るならば、それこそが壊滅的な影響をもたらす巨大なブラックスワンになると思う」と述べた。

ラガルド氏は米新政権の保護主義的な政策が、財政刺激策でもたらされるプラス要因を超えるようなマイナスの影響を経済に及ぼす可能性があると指摘。「恐らく総じてプラスとならないだろう」とした。

経済界のリーダーや政策当局者らは、トランプ米新政権によるインフラ支出の拡大や減税を賞賛して、4日間のWEFを締めくくった。

しかし、懸念や不透明感は多く残っている。

資産運用大手ブラックロック<BLK.N>のフィンク最高経営責任者(CEO)は、少なくとも新政権発足後100日間はそうした政策が米国の市場を下支えするだろうとした上で、そのための資金をどう捻出するかは不明確だとした。

フィンク氏は連邦準備理事会(FRB)の利上げがドル高につながる危険性を巡り、ホワイトハウスとFRBが対立しかねないとも警告。FRBによる金融引き締めで米ドルの価値は「大幅に」押し上げられる可能性があるとした。「今後、ドル高の世界で生活することになることを、みんなが認識すべきだ」とした。

先月、FRBは10年間で2回目の政策金利引き上げを実施。世界的な金融危機を受けて長く続いた超緩和的な金融政策の時代が終わったことを示唆した。

ドルはユーロに対して14年ぶり近い高水準で推移。トランプ新大統領が投資や雇用の拡大を試みるが、米国の競争力は脅威にさらされつつある。

日銀の黒田総裁は米国経済がさらに成長すると見込まれ、ドル高が加速する可能性があるとする一方、世界経済については明るい展望を示し、保護主義の広がりが世界の貿易を抑圧するとの懸念を否定した。

黒田総裁は報道陣に対し「米経済は今年と来年で成長が加速し、ある程度の物価上昇も予想される。こういった全て(の要素)が金利を押し上げ、ドル高につながる可能性がある」と伝えた。

黒田総裁は「G7やG20の主要経済を含むほとんどの国はグローバル経済の促進を強く支持しており、保護主義の蔓延防止の一助となるだろう」と述べた。

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