まず小学生。全日本軟式野球連盟には小学生を対象とした学童チームというカテゴリーがあるが、1970年代には全国に2万を超える登録チームがあったが、現在は1万2000あまりに減っている。次に中学生。中学校の部活を統轄する日本中学校体育連盟(中体連)の統計によれば、2001年度には全国に32万人を超える中学軟式野球部員がいたが、昨年度は18万5000人ほど。15年間で13万人以上も減っているのだ。

 ちなみに中学のサッカー部員は2001年が約22万2000人だったのが、昨年は約22万8000人。少子化にもかかわらず増えている。野球よりもサッカーを選ぶ中学生が増えたといえる(グラフ参照)。

 小中学生は言うまでもなく次代を担う層だ。この部分の野球離れが進めば、やがては高校球児の減少につながる。それが続けば、甲子園に対する信奉も薄れるかもしれないし、そこから先の大学、社会人、プロと続く野球界全体の人気低迷にもつながりかねない。

 とくに、そのマーケットを頼りにする業者は売上などから、そうした流れを感じ取る。だからこそ業界横断型の組織が生まれ、野球・ソフトボール活性化のために知恵を出し合い、ともに行動するという思い切った決断がなされたに違いない。

 参加企業を見ると、それが画期的なことだとわかる。たとえばナガセケンコー、内外ゴム、ダイワマルエスの3社はいずれも軟式ボールとソフトボールのメーカーだ。同業者としてのつながりはあるだろうが、営業現場では商売敵であり、連携することなど考えられなかったはずだ。グラブやバット、スパイクなどの用品メーカーも同様だろう。それを乗り越えさせたのだから、現状への危機感がうかがえる。

社会環境が促進した野球離れ
一方で新たな選手養成ルートも

 発足した球活委員会が初年度の今年、まず手掛けるのはWebサイトの開設だそうだ。野球・ソフトボールに関する情報を発信し、その楽しさを再認識してもらうという。まだ開設されていないが、どんなものになるか興味深い。また、小学生を含む親子ペア1万人をプロ野球公式戦に招待するキャンペーンも行われる。

 ただ、子どもたちの野球離れを食い止めるのは一筋縄ではいかないのだはないだろうか。社会の変化という構造的な部分があるからだ。