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ロイター企業調査:トランプ政権の円安容認、120円までが半数

2017年1月23日

[東京 23日 ロイター] - 1月のロイター企業調査では、日米両政府ともドル高/円安は1ドル=120円程度まで許容するとの見方が半数近くを占め、それ以上の円安には警戒感が強まるとの見方が多いことがわかった。

トランプ大統領の保護主義的な政策への懸念が広がる中、日本企業は安倍晋三首相に対し、「日米安全保障関係の維持」と「自由貿易維持」を働きかけるよう要望している。

この調査は、資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に1月4日─17日に実施。回答社数は250社程度。

<トランプ氏は120円超は許容せず>

トランプ氏の大統領就任が決まった後の円安進行で、日本企業の景況感は一気に改善しているが、トランプ大統領が必ずしもドル高を志向しているとは見ていない。

トランプ新政権が許容する円安は1ドル120円程度までとの見方が51%を占め、それより円安を予想する声は27%にとどまった。「保護主義政策を推進するために行き過ぎたドル高は阻止していくと思われる」(機械)、「米国産業界、農業界の輸出競争力の低下懸念もあるはず」(卸売)といった見方から、115─120円程度が限界との見方が多い。

安倍政権については120円までなら許容するとの見方が45%ある一方、それより円安でも許容するとの見方も42%と見方が分かれている。120円程度が限界との見方の背景には「企業は円安を好むが、一般国民は必ずしも歓迎しない。衆議院を解散する頃には安倍政権は円安回避に走るだろう」(運輸)との見方がある。

安倍首相はトランプ氏の大統領就任後、なるべく早い時期の会談に意欲を示しているが、首相からトランプ氏に働きかけてほしいテーマとしては「日米安全保障関係の維持」が全体の31%を占めた。

背景には「中国、ロシア、北朝鮮、韓国といった日本を囲む東アジア情勢の不安定化」(サービス)への懸念があり、「日米安保関係が崩れた途端、経済どころの話ではなくなる」(建設)といった危機感が企業の間で強まっている。

なかでも「中国に関わるリスクは政治・経済ともに大きい。米国との協働は不可欠」(ゴム)といった視点から、「シーレーン防衛強化」(金属)など「中国けん制」を働きかけてほしいとの回答も13%を占めた。

自由貿易に関する制度維持への働きかけを要望する声も多い。

 「TPP(環太平洋連携協定)合意」への働きかけを求める回答は21%を占めた。「世界全体が保護主義に傾斜しているのを防ぐため」(紙・パルプ)など、自社のメリットに限定せず、自由貿易制度を維持するためにも必要との見方だ。

メキシコに工場を構える製造業も多いことから「NAFTA(北米自由貿易協定)維持」を上げる企業も10%を占めた。特に輸送用機器は「NAFTAが維持できないと想像を絶する悪影響が及ぶ」といった懸念が強い。

米国における「輸入関税全般の維持」も14%を占め、米国市場の輸入障壁が高まらないよう要望している。

<商品市況上昇、値上げ予定企業が増加>

原油価格など国際商品市況が上昇傾向となる中で、主要製品・サービスの「値上げ」を予定・検討している企業が22%と、昨年2月調査より4ポイント増加した。一方で「値下げ」を予定しているとの回答は昨年の12%から6%に半減した。

値上げを予定している企業の多くは「原材料価格の上昇」(金属)が理由と回答。他方で「商品の高機能化、人件費上昇」(小売)、「他社が模倣できない高付加価値品による値上げ(を予定)。単なる人手不足による値上げでは、敗者の論理になる可能性がある」(運輸)との指摘もある。

価格据え置きや値下げを予定する企業からは「競争力の維持」(多数)のためとする回答が目立った。企業は「安易な値上げは商圏を失うリスクが高い」(紙・パルプ)とみていることがうかがえる。

*見出しを修正して再送します。

(中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志)

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