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『英国王のスピーチ』に共感する日本人が続出!
今や映画、雑誌、書籍で「話し方指南」が花盛り

田島 薫
2011年3月17日
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 プレゼン、スピーチ、商談、会議・・・・・・など、ビジネスシーンは「人前で話す」ことの連続だ。その度に緊張を強いられ、どうにも苦手意識を抱いてしまうのは、筆者だけではないだろう。なおかつそれが、ビジネスの成否や自身の評価にも少なからず結び付くものなら、なおさらだ。それがビジネスマンの悲しい運命(さだめ)と、腹をくくるしかないのだろうか?

 そんな今、映画界から大きなニュースが飛び込んできた。イギリス国民から慕われた国王ジョージ6世の感動の実話『英国王のスピーチ』が、作品賞や主演男優賞など米アカデミー賞で4冠に輝いたのだ。幼い頃から吃音症に悩み、人前で話すことを極端に恐れる内向的な性格だった彼。そんなジョージ6世は、オーストラリア人のスピーチ矯正専門家のサポートを得て、ついに問題を克服する。やがて歴史的演説を成功させて、戦局に向かう国家の団結を図ったのだ。筆者も鑑賞したが、国王の繊細かつ気品あるたたずまいや、努力を惜しまない姿に、涙を抑えることができなかった。

 そして今、季節は春。新年度のスタートが近いせいか、映画のみならず、最近は雑誌や本の世界でも「スピーチ」や「話し方」が花盛りだ。

 たとえば、『日経ビジネスアソシエ』(2010年3月15日号)の大特集は、「超実践 話し方 誌上トレーニング」だ。44ページもの紙幅を割き、実に熱のこもった作りとなっている。

 「地雷語の避け方」「ビジネスの話は短く」「ロジカルシンキングに基づく交渉術」「ボイストレーニング」といった指南が続き、山田ズー二―氏、梶原しげる氏、白石謙二氏、和田裕美氏らの豪華講師陣が、様々な誌上レクチャーを行なっている。

 同誌では“元祖・話し方本”として、あのD.カーネギーの古典的名著『人を動かす』を挙げている点も興味深い。人間関係の原理原則まで掘り下げた大著だが、もともと「話し方のコンサルタント」として講座を開いていたというカーネギーは、人間の感情の機微を伝えることにも心を砕いていたという。多くの経営者に愛読されていることでも知られるが、ここにもそんな人気の源泉があるのかもしれない。

 また一般書籍に目を移せば、アマゾンの売り上げランキング(ビジネス・経済カテゴリー、2011年3月7日現在)においても、『リーダーは話を1分にまとめなさい』(沖本るり子/中経出版)が28位に、『お笑い芸人に学ぶ ウケる! トーク術』(田中イデア/リットーミュージック)が29位にランクインしている。ここでも、ビジネスシーンにおける「話し方」への関心の高さがうかがえる格好となった。

 「人の一生、話す場面は全てプレゼンだ」とは、前出の梶原しげる氏の言葉だ。また、『英国王のスピーチ』のトム・フーパー監督も、「他人とのコミュニケーションには、誰もがある種の恐れを抱く。だから、コミュニケーションが苦手な男の話が観客の心を打つ」(2011年3月5日付け・朝日新聞)と語っている。口下手であり、スピーチが苦手とされる日本人にとっても、話し方の克服は永遠のテーマの1つであるのだろう。

 今年も多くの新社会人がビジネスの世界にデビューする。そして、そのうちの一部は“話し方の壁”に直面するかもしれない。それでも、『英国王のスピーチ』のジョージ6世同様、相手に対して心を開くことができれば、コミュニケーションは必ずや円滑にいくはずだと信じたい。

(田島 薫)

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