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出遅れ内需株に海外勢が関心、消費回復期待も

2017年1月24日

[東京 24日 ロイター] - 日本の内需株に関心が高まっている。今年に入って円安が一服し、製造業の業績改善期待が後退する一方で、非製造業は景況感が改善。インバウンド消費の回復期待などが強まっている。

外需株に比べ、小売りや食料品などの内需株は株価の出遅れ感も強く、海外投資家の一部がマネーをシフトさせ始めているようだ。

<外需株の騰勢一服>

米金利上昇・ドル高/円安がメーンシナリオの「トランプ相場」だが、日本の輸出株は昨年末までの期待先行相場でかなり上昇してしまった。

米大統領選直前の昨年11月7日から12月30日までの東証業種別指数の上昇率は、輸送用機器<.ITEQP.T>は16.06%、電気機器<.IELEC.T>は9.00%となっていた。

しかし、昨年までの円安基調が止まり、対ドルで円高が進むなか、足元ではこの騰勢が一服している。1月9日から23日までの間で、輸送用機器は3.2%下落、電気機器は0.22%の下落だ。

市場におけるトランプ相場のシナリオが大きく変わったわけではないが、「自動車や電機など円安シクリカル(景気敏感株)系を一通り利食ってしまったのだろう」とUBS証券ウェルス・マネジメント本部ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッドの居林通氏は指摘する。

<海外勢が内需株にシフト>

外需株の一服感が強まる中で、海外投資家などの注目度を上げているのが内需株だ。

メリルリンチ証券の1月のファンドマネジャー調査によると、引き続きシクリカルが選好されているが、今月に入り内需セクターへのシフトが見られる。日本株のセクター別配分状況を見ると、12月調査と比べ自動車や保険への配分も上昇したが、上昇率上位には通信(60%増)、不動産(60%増)、小売(約54%増)、生活必需品(約54%増)と内需が並ぶ。

バンクオブアメリカ・メリルリンチのチーフFX/株式ストラテジストの山田修輔氏は「ドル/円の伸びが頭打ちとなってきており、外需から内需へややリスクオフの動きが見られる。外部環境の不確実性が高まっている中、多少慎重な方向に傾いている」と分析する。

オランダのヘッジファンド、ぺラルゴス・キャピタルのマイケル・クレッチマー最高投資責任者(CIO)は、「インフレ圧力は短期的に一服し、次四半期はディスインフレーションに戻るだろう。円相場や債券市場は方向性に乏しいと想定される。このような環境の中でシクリカル・バリューの収益力は減っており、良質な内需株にシフトすることが理にかなっている」とみる。

<改善する非製造業の景況感>

実際、非製造業の景況感は改善している。1月ロイター短観(400社ベース)によれば、非製造業のDIは前月から11ポイント上昇してプラス30となり、1年7カ月ぶりの高水準となった。

日本百貨店協会が20日発表した2016年12月の全国百貨店売上高によると、インバウンドは、8.3%増の192億円と9カ月ぶりに前年を上回り、単月の売上高としては過去2番目の水準となった。

 「日本のファンダメンタルズは改善傾向にあり、買い支え要因となろう。トランプ相場で出遅れ感のある内需には買いが入りやすい」とソシエテ・ジェネラル証券ディレクターの杉原龍馬氏は話す。

昨年11月7日との比較で1月23日までのパフォーマンスは、輸送用機器の13.94%上昇、電気機器の10.80%上昇に対し、小売り<.IRETL.T>は4.19%上昇、食料品<.IFOOD.T>が2.45%下落と内需株の出遅れ感が強い。

バンクオブアメリカ・メリルリンチの山田氏は「基本的には景気敏感株が買われる流れは続くが、ボラティリティが高いためタクティカル(戦略的)に動く必要がある。為替が1ドル130円台に乗せてくるとなれば話は別だが、110円台後半までの水準であれば、外需と内需の循環物色は続くだろう」との見方を示している。

(辻茉莉花 編集:石田仁志)

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