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焦点:NAFTA再交渉、自動車の「原産地」議論再燃か

2017年1月25日

[デトロイト 23日 ロイター] - 米大手自動車メーカーは米国内で販売する利幅の大きい一部人気車種をメキシコから輸入しているため、トランプ新政権が北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に入ると表明したことで、自動車の原産地規則を巡る議論が再燃しそうだ。

トランプ大統領は23日、適切な時期にメキシコとカナダの両国首脳と会談し、NAFTAの再交渉に着手すると述べた。24日にはゼネラル・モーターズ(GM)など米大手自動車メーカー3社のトップをホワイトハウスに招き、朝食会を開く。

自動車業界の関係者は、トランプ大統領がカナダとメキシコに対して原産地規則を厳格化し、輸入関税をゼロにするために必要な域内部品調達比率を引き上げるよう求めるとみている。NAFTAでは乗用車とライトトラックの場合、原産地が米国、カナダ、メキシコの域内であると認められるには最低62.5%の域内調達比率が必要。

米政府は別途、1992年以来、米国とカナダで製造された自動車を米国で販売する場合に域内調達比率の表示するようメーカーに義務付けている。自動車ラべリング法に基づく2016年分の報告によると、GMの「シボレー・トラバース」とホンダがオハイオ工場で製造した「アコード」は米国製とカナダ製の部品の調達比率が80%となっている。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<0QXR.L>のピックアップトラック「ラム」は59%。

トランプ大統領はNAFTAの見直しについて具体的な提案は示していないが、製造業者に対しては国産の部品購入や国内での生産を増やすよう求めている。

自動車メーカーは現状維持で得るものが非常に多い。GMは昨年、フルサイズピックアップトラック「シボレー・シルバラード」とピックアップトラック「GMCシエラ」のメキシコからの輸入が合計で約31万5000台だった。これは利幅の大きい両モデルの米国内での販売台数全体の約40%に当たる。コンサルタント会社LMCオートモーティブのデータによると、GMは国内販売の14%をメキシコ製造車が占めている。

ロイターが入手したIHSマークイットのデータによると、フィアット・クライスラーの最人気車種ラムは約半分がメキシコで生産されている。

フォードは今月、16億ドルでメキシコに工場を建設する計画を撤回してトランプ大統領から賞賛された。しかし売れ筋セダン「フュージョン」や小型車「フォーカス」をメキシコで生産する計画は変えていない。

IHSマークイットの推計によると、昨年メキシコで生産されて米国に輸出された自動車は全メーカーの合計が200万台近くに上り、今年はこれが14.5%増える見通し。

トランプ大統領はメキシコからの自動車輸入に35%の関税をかけると息巻いている。しかし自動車業界のシンクタンク、センター・フォー・オートモーティブ・リサーチは今月公表したリポートで、この関税が導入されれば米国の自動車販売は年間に45万台減少し、北米全体で自動車組み立て職6700人分が影響を受けると予想した。

LMCオートモーティブも別の調査で、トランプ政権が極めて保護主義的かつ孤立主義的な姿勢を取れば、米国の乗用車とライトトラックの販売が打撃を受けるとの見通しを示した。ただ、新政権が減税を実施し、インフラ投資を実行に移せば、自動車販売が年30万─50万台増えることもあり得るという。

(Bernie Woodall記者)

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